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2008-02-17

わが子を殺害された守口のお母さんをめぐる報道

世間の流れは早いので、父親に手首を切られた息子のことがニュースになってしばらくたつ。毎日そんなニュースが多くて「何だかマヒしていくよなー」ということをみんなが口にする。しかし「マヒ」とは何だろう。単に関心を持たなくなることだろうか。マヒすることが、あってはいけない関心というものをつくり出し得る、そういう時代ではないのか?TVに映る人の死には、実感がわかないが...。

もう半月以上たってしまった。いまごろ書いても誰もみないだろう。

大阪・守口の殺害乳児の母親、飛び降り自殺か 車にひかれ?死亡」というニュースが前にTVで流れた。(2008.1.23 11:37) その時の出来事を書いてみたい。

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<= 月16日に守口市で殺害された乳児の母親が飛び降りた東中本歩道橋=23日午前11時15分、大阪市東成区

1月23日午前3時半ごろ、大阪市東成区の市道で、女性が倒れているのを通行人が発見、110番した。女性は病院に運ばれたが全身を強く打っており、まもなく死亡が確認された。女性は大阪府守口市で今月16日に起きた乳児殺害事件の被害者の母、山中いづみさん(22)と判明。近くの歩道橋に山中さんの靴などが置かれていたことから、守口署捜査本部は飛び降り自殺を図った後、車にはねられた可能性が高いと判断、府警はひき逃げ事件として逃げた車の行方を追っている。


実はこの場所、僕の職場のすぐ目と鼻の先だった。僕はたまたまの早朝勤務でこの場所を通る際、まだ現場検証中だった様子を見た(写真はニュースサイトからもらったものなので、早朝の様子ではありません)。

もともとの発端となったニュースは、同じ産経のこの記事「乳児口ふさがれ死亡事件 逃走の男、出産祝い奪う」(2008.1.17 10:55)

ひどい事件だと思った。こんなことをされたら、お母さんは気がおかしくなってしまうんじゃないかとも思った。ところがこの事件に関して、「事件に不 審な点があり、乳児の殺害には母親自身も関与している可能性がある」とか「警察はそうした疑惑も含めて母親自身に事情聴取している」などという記事を、あ る週刊誌(週刊新潮)が書いている。

年配の女性社員の人達が話していた。 「かわいそう。若いし、未婚の母ってことで、警察に甘く見られたんじゃないの。」「未婚の母って?、お父さんちゃんといるよ。大学生だから結婚待ってただけ で、近々入籍する予定だったらしいよ」「だったらなおさらマスコミも警察もひどいんじゃないの。」しかしなかには「疑惑」のほうに目がいく人も居た。

マ スコミはネタのために事件を脚色することがある。いや実際それが多過ぎる。見る側に慎重さがなければ、マスコミの暴走も食い止められない。香川県坂出市の 三浦啓子さんと2人の孫が殺害された事件のときも、人相が悪いから犯人に違いないなどと、見た目で遺族である父親を犯人扱いした人達が居て問題になったば かりだ。今回の母親の自殺を、警察がマスコミのせいにしているなどというウワサも一部あった。言ってしまったことがマズイと思いきや、死者のことや事件の 真相よりも責任のなすりあい...。

母親が完璧に被害者でしかないとしたら、マスコミは自分達の言葉にどう責任をと るのだろう。事件がこれで迷宮入りとなると、ネタがつきるので何となく取材も無くなり、我々も忘れてしまう。母親を疑った人達も言ったことを言いっぱなし でことが過ぎて行く。真犯人が居るのなら、その男は今どこで嘲笑っているのだろうか。ネットで関連ニュースを見てしまう自分も、同じ穴の何とかなのだろうか。 僕はあまりにウワサの流れがひどすぎて、口をつぐむしかないような気持ちになる。

ときには良心的な意見も書かれる2CH で、こんな怒りの言葉を見付けた。

怪しいという気持ちもわかるが・・・お前ら死者に鞭ふるう真似してそれを恥ともおもわんのか?
正 直、マスゴミの無神経な取材は見ているだけで胸くそが悪くなるが・・・、一部を除いて、死者を踏みにじるようなお前ら見てちょっと引いた。普段クズと呼ば れようとも便所の落書きといわれようとも、このような事件に対して、憐憫や哀しみの気持ちを持つのが日本人の感性ではないか?

こんな時、無関心でいることの方がまだ良心的かもしれない。亡くなった母親が共犯であろうがなかろうが、我々に何の関わりがあるのかと...。我々はTVやネットという媒体を通じて、表層的快感を得ることに依存しすぎていないか?他人の不幸にそんなに関心を持ってどうするのだろうか?
昔は本も少なかったし、TVもネットも無かった。昔の人達はたくさんの情報を取得できなくても、心のある人はそれなりにいて、優れた有能な人もそれなりに居た。そもそも我々に、そんなにたくさんの情報やニュースが必要だろうか?

そして最初に一人の乳児が亡くなったという事実のほうには、人は目がいかないのだろうか。

改めて「人が何かを信じる時の心のしくみ」について考えなくてはと、また思う。

僕はまだお母さんが自殺したという事実の、重い気配が残る現場を見た。死者に向かって、心の中で手をあわせればもう十分だと思った。

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コメント

2008年の守口乳児殺害事件、お母さんは殺していない。


当時の大阪府警守口署はズサンすぎる。


当時の大阪府警守口署の署員全員警察官をやめるべきである。

マスコミもウソを書いて1人の人間をダメにしていたこともケシカランのだ!


赤ちゃんの母親で自殺を図った若い女性の遺族の1人は“マスコミ”や“当時の大阪府警守口署”の連中に“倍返し”の“復讐”をするよ。


俺が遺族の立場ならやるかも知れないねぇ……


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