« 「一般財源化反対」のステッカーを貼ったトラックが...(1) | トップページ | 「一般財源化反対」のステッカーを貼ったトラックが...(3) »

2008-04-21

「一般財源化反対」のステッカーを貼ったトラックが...(2)

1953年、道路 整備五カ年計画に関連して揮発油税の税収を国の負担金・補助金に充てた。これが道路特定財源問題の始まりと言われている。これを強力に推進したのが当時の田中角栄。

巨額の税金を地方のインフラ整備につぎこんだ角栄の政治。それを「角栄型社会主義」などと表現する学者もいる(岩田規久男「『小さな政府』を問いな おす」:ちくま新書)。言葉の使い方としてそれはおかしいが、道路一つまだ未整備だった当時の日本にとって、角栄の政策はどうしても必要なものだったとも 思える。地方に中央の資金をつぎこむことで、「大きな政府」という難問を後につくったが、同時に「生活直結型利権」の分かりやすさが政権党を大きくした。 最近は「道路族」というと悪人の代名詞のように使われるが、見方をかえればある種のマキャヴェリストか。このへんは政権と縁のない弱小政党には、発想すら できない世界。

しかしなー、あれから自民党自身が変化してしまったよな。

--------------------------------------------------------------------

政界が揺らいでいるのだが...

ここ数年の公共事業のカット。地方経済は今までにない大打撃を受けている。小泉内閣の4年間で、地方に回っていた金の3割以上が減らされた。道路予 算の削減はその代表例の一つとなっている。同時に道路公団の改革も始まった。道路特定財源の見直しは、言わばこれまで道路行政を仕切ってきた道路族の息の 根を止める最後の作戦と言う評論家もいる。まあ彼らはしたたかだから、そう簡単に死にはしないが。

ここ数年で政権党の支持基盤が大きく変化したことにも注目すべき。郵政民営化をきっかけにして特定郵便局長らが国民新党の職域支部「国民新党憲友 会」に移籍したという象徴的な出来事もあった。巨大な保守集票システムだった「大樹」は、自主投票やらなんやらで自民の票田としてはほぼ消滅したと言われ た。そんな後に続く道路税問題。これだけ利害のうずまく領域だ。ある意味これからの道路行政に対する各政党の姿勢いかんでは、既存政党の再編にまでつなが りかねない。これは小さな政党にとっては、ある意味チャンスともとれるはずだが....。

もう一つ、道路特定財源は、地方に金を回すための大きなパイプでもあった。部分部分を見れば、地方の道路整備はまだまだ進んでいない所もあるので、 道路税を切られることは地方財政に大きな痛手だ。それも一般財源化反対派の主張になる。ただ、地方のインフラも昔に比べれば進んできている。だからもう角 栄の時代のようなバラまきで地方を活性化するのは難しい。必要もない道路作りへの批判もある。ならば、道路に代わる新たな所得補償の仕組みを考えるべきだ ろう。このへんも野党にとってはある意味チャンスだが、ここは相当難しい課題。農業の復興などのお題目だけ並べていてもどうしようもなく、具体的な政策能 力がかなり問われる。

--------------------------------------------------------------------

既存の政党組織の硬直性

道路税一般財源化問題によく現れているように、国民の生活利害は横の関係が複雑である。あっちを立てればこっちが立たず、あるいはリゾーム(地下茎)状につながっている。あちらを腐らせれば、遠く離れたどこかが劣化してしまうことも...。

昔から疑問を持ってきたのだが、ある一定の規模の政党組織になると、政策立案や方針決定といったプロセスが専門家集団によって分業化される。それゆ え党の政策についての下からの議論が吸い上げられることは難しくなる。しかし国民間で利害関係が拮抗する問題について、その複雑さに直接対面するのは末端 の組織員なのである。

どうしても既存政党の意志決定機構は縦割りのツリー状、あるいは単なる上意下達のヒエラルキーになるのだ。下からの意見をたたき合わせるには、あま りに構造的な壁がある。これは共産党に限らず、自民や民主でも同じ問題を抱える。そもそも郵政民営化問題がそうした問題であったわけで、自民党の支持基盤 が揺らいでくる深層に横たわる課題だったわけだ。与党が大敗したと喜んでいる場合ではない。利害関係が複雑な問題への一方向的な対処は、その政党の存在を 困難にするという教訓をそこに読むべきかもしれない。

--------------------------------------------------------------------

共産党に限った話をすれば、いい例が政党助成金問題。これは党の内部の問題なので国民間の利害関係ではないが、中央の方針と地方の現場の人達の感覚の違いが見られる典型的な問題かもしれない。

日本共産党の地方議員をやっているある知人に聞いてみた。

「地方の党員がカンパとかやってがんばる姿は辛いだろう。もういいかげん政党助成金を受け取ることも考えたら? 地方の党組織からは中央の考え方に批判意見も出てるんだろ。」

その議員が返すのは、政党助成金にはたよらないの一点張り。しつこく議論しようとすればおこりだしそうだった。議論すら避けようとする姿勢には、彼も中央のロボットとなり果てたのかなとも思う。

共産党の支部会議なんてものは、一見めいめいが自由に意見を出しているように見えても、基本赤旗に書かれた中央の路線に、それぞれの体験や想像で肉 付けしていくたぐい。年金や米軍のイラク侵攻のような問題なら一致しやすくとも、道路税一般財源化問題のようなものになるとどうだろう。中央の判断に反対 ではなくとも、微妙に意見したくなることがままあるはず。あるいは組織に対してもっとうまく立ち回れないかといった意見も出ていいはず。しかしそうした下 からの意見は汲み取られないだろう。


< 2 > 3

« 「一般財源化反対」のステッカーを貼ったトラックが...(1) | トップページ | 「一般財源化反対」のステッカーを貼ったトラックが...(3) »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/120253/40946185

この記事へのトラックバック一覧です: 「一般財源化反対」のステッカーを貼ったトラックが...(2):

« 「一般財源化反対」のステッカーを貼ったトラックが...(1) | トップページ | 「一般財源化反対」のステッカーを貼ったトラックが...(3) »

aBowman

別荘はこちら

  • Marbles2
    音楽、美術、映画、本など趣味的なページはここに移転しました。考えるのが面倒だったので、タイトルは単に2です。

ウェブページ

2018年2月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28      

mail

  • 82pkdick@gmail.com

最近のトラックバック

無料ブログはココログ