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2008-04-06

映画「靖国」上映中止?

これも現実世界より先にネットで盛り上がってるようだが、もうすでにさんざネタにされてる。

クローズアップ2008:映画「靖国」上映中止 揺らぐ表現の自由 (毎日新聞 2008年4月2日 大阪朝刊)

「靖国」上映中止:東京・大阪で相次ぐ中、新潟では上映 (毎日新聞 2008年4月5日 地方版)

特定の映画がイデオロギー的に偏好しているということで、上映反対派から圧力かけられることは海外でもある。イスラエルのマスコミがドイツ人の作った『ヒトラー 〜最期の12日間〜』 を猛烈に批判したのはつい数年前のこと。あれも実際見たら、史実として参考になった面もあり、ヒトラーとその側近の描き方に微妙な疑問は残るものの、別に あれがナチス美化映画だとは思わなかった。せいぜいヒムラーあたりのことを、もっと調べてみたいという動機につながったぐらいか。

そういう意味で「靖国」見たから、イデオロギー的に影響されるとも思えず、また映画の事前評では中立的な描き方であると言われている。そもそも自己 の意識の持ちようを、政府であれ特定団体であれ、外部から余計な心配して先々心配(介入?)されること自体が不快に感じる。映画見たから考えがこり固まる ほど、こちとらバカではありまへんと言いたいが。

ちょっと救いだったのはこれ

映画「靖国」5月上映へ=当面は大阪の1館で (時事通信:2008年4月2日)

上映中止が相次いだドキュメンタリー映画「靖国」について、大阪市の映画館「第七芸術劇場」で5月に上映されることが3 日、明らかになった。政治問題を発端にしたトラブルを懸念し、4月12日から公開することにしていた東京と大阪の映画館5館は取りやめたが、同劇場では当 初の計画通り上映することを決めた。5月10日から2週間の予定。

上映反対派の意見はだいたいここらに 見られるが、個人のブログなので反対派議員などへの評価や批判理由は人によって微妙に違う。他にもいろんなサイトで取り上げられてるが、読む人も「左派」だ「右派」だと 決めつけずに、冷静に人の意見を読みたい。でないと、せっかくの議論で、映画中止を叫ぶ強行派とたいして変わらない物言いになる。私はぜひ上映をのぞむ が、この上映の是非についての議論もまた大事な議論であることを忘れたくない。

今朝はさっそく田原総一朗の例のTV番組で、右派にはいろいろ問題発言の多いとされる加藤紘一氏や映画の配給会社の社長をゲストに議論があった。問題の発端となったとされるかの国会議員は呼んだのに来なかったらしいが...。御本人の言い分もここらへんに載っているのでちゃんと読んであげよう。映画も見ないで上映反対してる人達の次元にはなりたくないので、いろんな立場の人の意見は聞くべきだ。

この中で、映画に政府出資法人から750万円の助成金が出ていることを問題にしている点は、個人的には賛成である。ただ、この間の経緯で、配給会社が試写会を開くなら特定会派の議員だけでなく、全議員に呼びかけた試写会を開いて欲しいとしたことも評価されるべきだ。

問題の発端とみられるのは、自民党の稲田朋美衆院議員が2月12日、文化庁に「映画の内容を確認したい」と問い合わせたこと。稲田氏は、文化庁管轄の独立 行政法人「日本芸術文化振興会」が製作に750万円を助成したのを問題視していた。文化庁は配給協力・宣伝会社のアルゴ・ピクチャーズと協議し、3月12 日夜に国会議員向けの試写を行い、自民、民主、公明、社民4党の40人が参加した。

あれ? 共産は? ま、いつものパターンかな。それはともかく、配給会社の社長によれば、文化庁が議員向けの試写会について問い合わせてくるのはきわめて異例なのだそうだ。過去にもいくつか助成金が出てる映画があったにもかかわらずである。もっと早くこういう議論はされるべきだったのではないのだろうか。ただし、議論は必要だろうが、議員の意見で上映の是非が左右されるようなことがあってはならない。

私は、基本的にこの「靖国」をぜひ見たいので、板ばさみになってる気弱な映画館の関係者(失礼coldsweats01)には申し訳ないが、がんばって上映してほしい。

いろいろ細かい意見はあるだろうが、政府の関係団体が特定の芸術に助成金を出すことは、あまり好きではない。出すならどういうスタンスで助成するのか、国民に分かるように明確にす べきだ。金を出すなら芸術の内容には口を出さないことを明確にする必要がある。そこに問題が無いなら無いで、外部の人達がそのことに安心できるような情報 公開がされるべきではないか。それに助成となると、どうしても官僚や議員の意見がからみやすくなる。そういう意味でも、政府が特定の芸術を助成するのは好きになれないのだ。

稲田議員の提起した試写会が発端になって映画上映反対が叫ばれ出したとする意見があるらしいし、田原総一朗のTV番組でもそう解釈してるかのような言い方だった。ことの真偽はわからないのでコメントできない。ただし、そのTV番組で配給会社の社長が、「議員がどうとか言うよりも、ネット右翼、いわゆる本物の右翼ではなく個人的に右派的な意見を好む人達から火が付いた」といった言い方をしていたことも付け加えたい。別に稲田議員をかばう気は全くないが、群集心理というものがある。そしてあたりまえのことだが、群集心理は右派にも左派にもある。映画も見ずにその映画をけなすのもほめるのも両方どうかと思ってしまう。この手のことは個人攻撃をすれば原因がわかるというほど単純ではないとも思う。

映画を公開してほしいということと、政府が芸術に口出しして欲しくなく口出しするような金をだしてほしくもないという、この両方の視点は同じものだと思う。前から「統制社会」というものを問題にして考えて来た。芸術に対してどのような規制も賛成できないという立場です。

どんなことであっても、議論それ自体は自由にされるべきだろう。去年左派議員が自民党の特定の議員の「核兵器についての議論」を議論することそのものが問題だとして、圧力をかけたことがあった。私は核兵器にはもちろん大反対だが、議論もするなという考え方には賛成できない。

史 実は実証にもとづいて考えていくべきだ。概念は多数の熟考によって、少数派の意見もとりあげて、作り上げていくべきだ。正しい立場というものが仮にあると したら、そのような地道な共同作業の中から生まれると思う。議論もつぶすようなやりかたは、街宣車で大音量ならしてるのとたいして変わらない。

イデオロギーからものを考えると、つい自分の側に都合の悪い意見にはギャーギャ−言い、都合のよい意見はスルーする。議論がなくなり歴史が風化して いくことのほうが、史実が歪められるのはすでに歴史が実証済みだろう。まちがいなく「靖国」もまた議論されるべき存在だと思う。

そのことを明確にした上で、とりあえず「表現の自由の圧殺だー!」と言うのも必要だ。言わなければ、やはり「表現の自由」は圧殺されるからだ。それを言った上でなおかつ冷静に見守りたい。

とにかく映画みなきゃはじまりません。5月あたりから上映する映画館も決まったらしいので、私もちゃんと見てから考えたいと思う。

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