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2008-04-25

「民主書店」に行ってきますたw

ここ最近本はほとんどAmazonで買っている。本屋に行ってもめぼしい本はチェックするだけで買わない。後でAmazonでとりあえず調べる。僕もアマゾン依存症候群....。

今手元にこんな本がある。田口富久治(著)「先進国革命と多元的社会主義」。こんな本を今どき一般の書店で買えるわけもなく、当然中古だ。ネットなら、こんななつかしい(!!)書物が手に入るし、確かに便利。ただ実際に手でふれて見ることができないのが難点。

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学生の頃、大学の近くに古本屋があった。年配の夫婦で営む小さな店だったが、大学が「赤い」大学だったので、その古本屋さんの蔵書も自然「赤い」本が多かった。確かおじさんもおばさんも共産党員であったと思う。「民主古書店」(!) だった。

大学1年のまだケツの青いバカ者だった僕は、その頃買った本で読んでみてもよく理解できなかった一群を売りに、その「民主古書店」に行った。そのと きまだ共産党員ではなかった。たいていは買ってもらえたが、そのうちの2冊は、おじさんが「これは今はよく分からなくても、君にとってきっと良い本になる から持って帰りなさい」と言って買いとってもらえなかった。今思えば、そんな教育的配慮までして指導していただける古本屋がどこにあるだろうかと思う。僕 がバカで「民主おじさん」は正しかった。

それが私と哲学者 古在由重 との出合いであった。

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昔は左翼系の本を扱った「民主書店」がいくつかあった。日本共産党関連、新日本出版の書籍や大月書店ものだけでなく、青木書店とか未来社などの、ん?ちょっと違うなー系の学者の書籍を扱ってくれるので、とても良かった。少しカビくさーい感じの薄暗い空間で、グラムシとかマルクーゼとか、日本の(共産党系ではない)MAXウェーバ−研究書とかを立ち読みするのは至福の時間だった。

こういう系統の本を扱っている書店って、今はほとんど無くなってきている。いつだったか大月版マルエン全集の新刷が途絶えたとのニュースにショックを受けたが、「民主書店」の盛衰もそんな時代の流れとともにあるようだ。

大学にグラムシ研究で有名な教授が居た。僕がよく通った喫茶店に、その教授もよく来ていた。コーヒーを頼むと、スッと背筋を伸ばして異様なくらい静かに読書する、蒼白い顔の寡黙な人だった。互いになんどか顔を見るうちにあいさつするようになり、少しだけは資本論のことやらを会話していただいた。大月書店版のV・ジェルラターナ編『グラムシ獄中ノート』の翻訳をされた 竹村英輔 先生であった。

その竹村先生に名古屋の「民主書店」を教えてもらった。たしか「書店大地」という名前だったと思う。今も営業しているようでホームページが見つかった。

なんか変に細長ーい店舗だった記憶がある。今も存在しているのが不思議にうれしい。

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大阪に帰ってきて御世話になった「民主書店」は、「清風堂書店」。今もちゃんとある。

今は梅田店のみになってしまったようだが、昔は僕が知っているだけで3店舗あった(実際は他にもあったのかもしれないが、行ったことがないので知らない)。残り2店は、難波と堺にあった。

難波店は新歌舞伎座の裏手にあり、まわりがラブホテル街という何とも不思議なシチュエーション。地下鉄を出たとこにある立ち食いそば(なぜかここのそばはうまかった)で天ソを食って、ホテル街めざして歩き、清風堂に通った。小さな店だったがカビくささがちょーどよくて好きだったんだけどなー。マルクス主義発達心理学とかクループスカヤの集団主義教育論とか、それからスターリンの言語理論だとか、今思えば信じられない書籍が並んでいたなー...。なんで無くなったんだろー(経営難にきまってるか(^0^;))、残念だ。

堺の店舗は湯川家具という大型家具店舗の中にあった。ここは間借りした店だったのでさらに小さかった。この大家の湯川家具という会社は、たしか一度倒産して数名の幹部社員だけで共同経営して建てなおしたという、めづらしい企業だったと思う。その辺の組合関係の流れで「民主書店」と関わりがあったのかな。まあ本当は詳しく知らないのでいいかげんなこと言ってるかもしれんが....。

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つーわけで、今日は仕事も早く終わったので梅田の「清風堂書店」にひっさしぶりに行ってきましたー。ジュンク堂もひかえる梅田で、しかも旭屋書店のでかいビルのすぐ近くで今もがんばっているのら〜。

お店は地下1Fと地下2Fに分かれているもようで、地下鉄谷町線を降りて地下から行くとわかりやすい。以前は一時地下1Fの店舗がツタヤかなんかにとられてた覚えがあるんだけど、今は書店に復帰してるようだ。

Honten ひさしぶりの印象は、マンガとか資格取得とか学校のセンセ向けの本に力を入れてるようで、どう見ても普通の書店。かつての「民主書店」のおもかげは無い。一角には自費出版のコーナー。今どき自費出版なんてやっていけるのかニー?

中に入ってみたものの、店舗が小さいわりには新書と岩波文庫が妙に多いのが目につく。岩波文庫も赤帯だけでなく、青やグレーもまあまあある(もちろん大型書店とは比べるまでもないが)。当然のように向坂版の資本論が全部そろえてある。ただ岩波文庫版では「民主書店」とは言えまいに。

で、奥のほうを見ると「社会科学書はこちらです」のミニ看板が...。

あったー!dash

お店の隅に、かつての「民主書店」のなごりが....。こちらには日本共産党の(洗脳用)出版物、フハ氏の著作に加え、左派系でもちょっと毛色の違う学者の書籍や多喜二もの、うたごえものpig、などなどまだまだあるとこにはあるもんだ。今どき国民文庫版「資本論」(赤い表紙のアレさ)や、新日本版の新書サイズの「資本論」を置いてるのは大阪でもここぐらいだろう。やはり「民主書店」は貴重でござる。

立ち読みしてると、一人のおっさんが「月刊学習」(まだあるんやー!)とか買っていった。共産党員かな〜。ファインマンさんみたいな顔したおっさんだったので、思わず「こんにちわ」言いそうになったわい。

でそのコーナーのさらに奥にコンピュータ関係のミニコーナーがあり、結局「民主的」な本はちーとも買わず、次の名著を発見!

感動のあまり即買い!!!

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プログラミング言語SCHEME     R.ケント ディヴィグ

おいおい! ぜんぜん「民主書店」とカンケーねー本じゃねーか!!!

まあまあそう言わずに、実はこの本ハッカー・プログラマー仲間では有名ですが、Amazonでもただいま絶版(たま~に売ってますけど)、中古では8000円以上の値で取り引きされてる。それが3000円の定価で買えたなんて驚き。きっと在庫のまま残ってたんでしょう。こんな本をわざわざ「民主書店」に見にくる人はいないだろうし、お店の人もこの本の価値もわからなさそーだし。僕にとっては、とんでもないメッケもんでーした。売れてない本屋(失礼)に行くと、こういう偶然ってあるんだよな。「清風堂」さん、ギガサンクスでしたー。

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実は僕には「清風堂書店」に正社員として勤めていた大学の後輩が居る。とってもがんばりやさんの彼女とは、ずっと昔彼女が堺の店舗に勤めていた頃たまに会った。たしか難波店にも一時いたと思う。

彼女は「清風堂」の経営が悪化したころ退職し、障害者施設で働いていた。その後持ち前のファイトをかわれて日本共産党から地方議員として立候補、当選して一時がんばっていたのだけど、その後辞めたようだ。毎年年賀状をくれるが、ここ最近は実家に帰っているらしい。性格のとてもいい人で、今も共産党と関わりがあろうがなかろうがどこかで元気にしていてほしいなーと思う。うちでは家内と時々思い出してはどーしてるかなーと言っている。

大学卒業後の彼女の数十年を思うと、「民主書店」の盛衰と、そして何より日本共産党の盛衰を考えずにはいられない....。

今日はメッケもんの書籍をゲットしたとともに、いろいろと思い出して「なんだかな〜」の一日である。



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コメント

湯川家具、覚えてます!
と言っても豊中の方ですが。
阪神高速池田線から見えました。

書店は経営がかなり厳しいようで、旭屋書店も東京の2店舗を閉鎖するみたいです。
福岡の民主書店、その名も「福岡書店」。2002年に店じまい。
最後は福岡医療団関連企業の経営でした。
週刊誌1冊でも配達してくれるので、重宝がられていたようです。

さて清風堂書店、ワタシもよく存じております。
と言っても、旭屋書店に行くときの通り道ですが。
コミックが充実してなかったでしょうか?
もちろん、筆坂氏の著書は取り扱ってませんよね。

旭屋書店は鉄道に関する書籍が充実しており、来阪の折りには必ず立ち寄ります。
タイガース関係は「総本山」阪神百貨店ですね!

 「つき指の読書日記」は下記の方へ移設しました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

   http://plaza.rakuten.co.jp/tukiyubi1

つき指さん:

ここ最近のTBありがとうございました。
感想文のような書評が多いネット世界で、つき指さんのような内容の濃い書評は貴重です。時々読ませてもらってます。
今後ともよろしく。

すーちゃん:

昨日僕が自宅サーバからリンクさせてるスラッシュドット・ジャパンにて「全国の書店、7年で2割減少」というのを見ましたが、そこからたどるニュースで、
「東京旭屋書店の銀座店と水道橋店が閉鎖」
と知りました。
出版不況ということでしょうが、本屋さんですごすあのマタ〜リした幸せな時間が減っていくとしたら、寂しいですネ。

とは言えブックオフに通いアマゾンで買う僕も、出版不況に協力してるわけですが....。

>筆坂氏の著書は取り扱ってませんよね。

んにゃ、「日本共産党」が10万部をうかがおうとしていた頃にはありましたよん。

↑はぼくちんれす。

いや、びっくり。JKBさんが在りし日の竹村先生を御存知だったとは。
数年前、東京の東大付属小石川植物園に遊びに行ったら、先生にそっくりの人を見かけ、呆然としました。七三分け、黒縁眼鏡、黒のスーツ、黒のコート。
先生は東大卒後、就職先で某O氏といろいろあって辞めたとか。
このコース、不破哲三と同じですね。
「NF大に拾われなければ、私はどうなっていたかわからない」とおっしゃっていたのを思い出す。NF大に奉職しながら、東大でも教えていらしたようで、「君達も東大生も変りませんよ。頭がいいというのは少しばかり便利なだけです。ほっほっほっ」と笑いながらおっしゃったのも印象的でした。

竹村先生の教え子さん、ようこそ。そしてコメントありがとう。

すぐ分かりますヨ。"James Graham Ballard"の略こと「JGB」を、「JKB」と書くのはあなただけですからw

JKBではなく、JGBだったのね。大変失礼しました。
竹村語録追加。ある学生が先生の研究室に悩みを相談に行ったところ、「あなたは私の貴重な研究の時間を奪うのですか」と言われたそう。(ある学生は私じゃありませんよ・笑)
先生と一緒に過ごす時間、我々ゼミ生はピリピリしてました。

私が植物園で見かけた先生にそっくりの人物、もしかしたら御子息では。
先生との一対一の卒論指導面接のとき、私がアホな質問をしたら、先生はあらぬ方向、遠い未来をみるように視線を泳がせ、「そんな時代はずっとずっと先ですよ」とおっしゃいました。植物園でみかけたそっくりさんも、あらぬ先に視線を注いで直立していました。
不思議な不思議な体験です。

> JKBではなく、JGBだったのね。

いえいえこのままJKBで呼んで下さい、ぜひ。なぜなら、HN変えてもすぐ分かりますからネ。

最近、御世話になった大学の先生が亡くなるような、自分もそんな年齢になってきたんだなと。いろんな意味で淋しいですね。

僕は、当時あるファミレスで、毎日のように資本論の学習をしていたところ、名城大生のチャラチャラした集団に「こんな所で難しい顔してやらなくても...」とからかわれ、場所を変えて行ったある喫茶が、竹村先生のお気に入りの場所だったんです。今思うと同じ席、同じ姿勢で読書されていたような。

よく御存じのように、静かな方だったので会話というほどのものでもなかったんですが、強烈な印象が脳裏に残っています。

NFつながり・・・
大分の民青同盟(大分県委員会)引越しにあたり、「不要な本」を整理してたら、「赤旗・縮刷版」(1985年1月~3月)を「近くの、中部地区委員会にもあるから」と「処分」したんです。今、東京23区の私の手元にあります。
「スキーバス転落事故」は、日本で2番目に犠牲者の多い事故であるはず。NF及び保護者に「支持者」が多いので記事が異様になっています。

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