« 北朝鮮をめぐる2つのニュース (2) | トップページ | ラサで聖火リレー、地震の被害も癒えぬ中で... »

2008-06-15

朝鮮人帰還事業と戦後の日本共産党

在日朝鮮人の帰還事業と戦後の日本共産党の在日朝鮮人政策は深くからんでいる。そのあたりについては、次の有名な宮地さんのサイト、

および、萩原遼氏の有名なこの本が詳しい。

Kitamonogatari_book 萩原遼 『北朝鮮に消えた友と私の物語』(文芸春秋社、1998)

とくに第16章「謀略・帰国運動」。

戦後の北朝鮮系在日朝鮮人の運動は、朝鮮戦争下1951年に結成された「在日朝鮮統一民主戦線(民戦)」が担った。この組織は、朝鮮戦争時期の北朝鮮系・左翼系在日朝鮮人のすべての運動を担ったという。また「民戦」は、日本共産党中央委員会の「民族対策部(民対)」の指導・指令をうける大衆団体でもあった。

1953年夏から日本共産党が打ち出した「三反闘争」(反米・反吉田茂・反再軍備)に反李承晩を 加えた「四反闘争」を「民戦」が主張したことに対し、日本共産党が「民対」を通じて「民族的偏向」と批判し、「三反闘争」に戻させた。それが在日朝鮮人の 民族感情を大きく傷つけた。これによって、当時「日本革命に従属せず、祖国に直結しよう」と呼びかけた 韓徳銖(ハンドクス) の主張が在日の心中に深く浸透していった構図がある。韓徳銖は民対派と対立し55年に民戦を解散。そうして翌年できたのが、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)であった。韓徳銖は初代の議長の一人となった。

しかし実際には、この呼びかけの裏で、北朝鮮の建国運動にできるだけ多くの在日朝鮮人を狩りだそうという、韓徳銖と金日成の陰謀があった。帰国事業という名の集団誘拐が始まったのはこの時だった。

この本を書いた 萩原遼氏は「赤旗」特派員として1972から73年平壌に滞在し、帰国後、自分の体験からいくつかのルポを書いている。中でもこの『北朝鮮に消えた友と私 の物語』は、帰国運動によって北朝鮮に帰った在日韓国人の親友のことを書いた感動的なものだ。萩原氏は平壌滞在中、若き頃実際に交流のあったこの親友を捜 し回ったことが原因で、北朝鮮からスパイ容疑をかけられ国外追放となる。以後、しだいに日本共産党指導部とぶつかるようになり、ある日突然、赤旗記者を解 任された。その後89年に赤旗を退職。北朝鮮に帰国した10万人の在日朝鮮・韓国人、日本妻(夫)達の悲惨な現状を救おうと、小川晴久元東京大学教授、金 民柱元朝鮮総連幹部らとともに「北朝鮮帰国者の生命 (いのち) と人権を守る会」を結成。「赤旗」退職後から“元赤旗特派員”の肩書きで共産党を繰り返し誹謗したという理由で、党規違反により2005年除籍。除籍の経緯は、他でもない「赤旗」に詳しく書いてある。

これによれば、2005年5月24日の「朝鮮総連結成五十周年記念レセプションの際、会場の近くで、『そこに駆けつける政治家は恥を知れ』と訴えた ことが報道されています。」とあるが、萩原氏が会場近くで配ったというビラが日本共産党を直接批判するというよりも、朝鮮総連の帰国事業を批判するビラで あったことが重要だろう。つまり日本共産党は、総連の帰国事業を批判されることが我慢ならなかったという文脈になってしまう。詳しくはやはり宮地さんのサ イトに記してある。

上記「赤旗」によれば、「このレセプションには、日本共産党から不破議長が出席。北朝鮮側の問題点について率直に指摘しつつ、今日の日朝関係を打開 するために、次のような六項目の提言を行っています」とあり、萩原氏から「恥を知れ」と言われた「政治家」が不破哲三であったことが、はっきり書いてあ る。その提言の中の次の項目に注目。

(3)拉致協議前進のカギは「特殊機関」問題の解決にある

不破氏が、北朝鮮による拉致を最初「疑惑にすぎない」と言い、小泉・金正日会談後には「北朝鮮特殊機関の一部の妄動」であるなどと、まるで金正日と同じことを言い出した話は、筆坂本を読むまでもなくもはや有名であろう。

大衆運動に自分達の方針を押しつけて、運動そのものを撹乱・混乱させただけでなく、逆に反対者を「運動を混乱させる反動分子」と決めつけるパターン は、戦後の日本共産党にずっとありがちだった。在日朝鮮人の帰還事業が悲惨な結果を招いたことは、もちろん根本的には北朝鮮と総連に責任があるが、かつて 在日朝鮮人の運動に混乱を持込み、結果的に北朝鮮・総連側に利を与えた日本共産党の責任も重い。

それが今日、何らかの総括をされて、せめてこの問題への認識だけでも正常化されているなら我慢もできる。しかし今だに総連にしっぽをふり、萩原遼氏 の名誉も回復しようとしない日本共産党は、たとえ国内問題で多少のグッドジョブをしようとも、苦しんでいる帰国者やその家族、また先のニュースの拉致被害 者の家族会から、まだまだ批判の目を向けられていくであろうことは間違いない。

« 北朝鮮をめぐる2つのニュース (2) | トップページ | ラサで聖火リレー、地震の被害も癒えぬ中で... »

コメント

うーん萩原さん除籍の件そんなに深い問題では無いと思いますよ。
 ひばりヶ丘団地の新婦の会の代々木の江青が「参加者をチェックしている」とヒステリーを起こしたのが原因です。
萩原さん放っておくほうが有利だし。
 あの夫婦悪い人では無いけど変人ですから。
江青のほうが、年上の姉さん女房だし、テラスハウスで生活に苦労して共働きだったし。
心理分析をすると、民主集中制という薄い気持ち良い膜に包まれていても、現実に直面すると、居心地いいピラミッド型官僚制の頂点の妄想の世界から現実の孤立した世界に引き戻らせラれた、パニック障害だと思います。
 でも江青は結構上昇志向が学生時代から強かったみたいです。 
付き合っていた私大生を棄て、東大出のエリートと結婚したわけです。
 でも、その私大生大金持になって山荘より遙かな豪邸に住んでいたりして。(^^)/~~~

>でも、その私大生大金持になって山荘より遙かな豪邸に住んでいたりして。(^^)/~~~

もしかしてその私大生って、山村さんのことでしょうか。(^_^)

江青こと不破の妻加代子だっけ?(夫婦で団地住まいの写真を、遠い昔、赤旗で見たことある)は上昇志向の強い女性で、付き合っていた私大生を捨て、不破に乗り換え、将来の日本の江青となった。捨てられた私大生は党を抜け、事業家に転進し、不破よりゆたかな生活を送っている、というわけですね。テラスハウスって何でしょう?

筍さん、返事送れてすいません。
 会員権の減価償却の為会社さぼってゴルフ行ってきてので。
①私はそんな年寄りでは有りません。
②その青年(今老人)は起業する様な人では有りません。何たって、この期に及んで、京都学派の田辺元の懺悔道を読んでいるぐらいですから、只獄中18年の国会議員の財政関係の私設秘書を長く務めていたので、その辺に秘密が有るのかも。
 人の御財布を覗かないという掟が政治の世界に有るので、それ以上は勘弁。
③テラスハウスって、低層2階建ての高級長屋です。
 詳しいことは、ぐるるれば解ります。

山村さんお返事ありがとうございます。
会員権の減価償却でゴルフ・・・山村さんの富裕ぶりを感じます。
>私はそんな年寄りでは有りません。
失礼いたしました。m_ _m
不破の妻の元恋人は、年老いて今どき田辺元を読んでおり、ミヤケンの私設秘書をしたおかげで?豪邸に住んでいるのですね。

テラスハウスそのものはわかりますが、何か意味深なことがあるのかと思いました。
>江青のほうが、年上の姉さん女房だし、テラスハウスで生活に苦労して共働きだったし。
日本の江青は高級長屋で生活苦で共働きだったのですね。おっしゃっていることがよくわかりませんが。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/120253/41543551

この記事へのトラックバック一覧です: 朝鮮人帰還事業と戦後の日本共産党:

« 北朝鮮をめぐる2つのニュース (2) | トップページ | ラサで聖火リレー、地震の被害も癒えぬ中で... »

aBowman

別荘はこちら

  • Marbles2
    音楽、美術、映画、本など趣味的なページはここに移転しました。考えるのが面倒だったので、タイトルは単に2です。

ウェブページ

2018年5月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

mail

  • 82pkdick@gmail.com

最近のトラックバック

無料ブログはココログ