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2008-10-11

異物申告書

食品偽装、汚染米にからむ事件が後を断たない。TVニュースなどを見ていると、事件を起こした企業の、工場従業員がよく顔ぼかしとかで映る。

「数年前からそんなことをやらされてるのは気付いていたけど、逆らったら首にされるだけ」
「社長は強圧的で何か言える雰囲気じゃなかった」
「俺たちもずっと騙されていた」

事件とともに会社は解散、彼ら社員も路頭に迷うことが多いだろう。そんな社員たちのやや言い訳に聞こえる言葉も、彼らの立場を考えれば責めることができない。「良心が痛むなら、さっさとその会社を去って告発せよ! あるいは内部告発せよ!」と、外からは言えるが、自分が同じ企業の社員の立場だったらそれができるかどうか。冷静に、じっと考えてみて...、オレならとりあえず匿名で官庁に内部告発ぐらいはするかな。そのとき担当官庁がダメダメな対応したなら、それもよく憶えておいて後でネタにしてやろう。とりあえず受け皿が見つかるまで、マスコミ相手でもいいから何らかアクション続けてやろう。そんなことを考えたりする今日このごろ...。

まあでも、事件を起こしたような企業じゃなくても、どんな企業でも企業モラルというか、業界モラル、職種モラルといったものはあるわけで、働く我々労働者の側にも、外しちゃいけない要素ってあると思う。まあそれが、ごくちっぽけなことでもね。

以下、知り合いから聞いた、某食品工場の小さな(笑い)話。

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その会社は、パンやケーキを作って販売する企業。名前は言えないが、従業員数は数百名、職種柄パートのおばちゃんたちの比率は高い。ある大手パン販 売企業や全国ネットの大手コーヒーショップで使われているパンも製造している、まあそこそこの下請け工場なわけ。知人はそこの事務員をやっている。

その工場にも、パンなどの製造過程で、例えば髪の毛とかちょっとしたゴミなどが材料に混入するなどの、小さな事故はあるらしい。そんな場合、それら を取り除いてその材料を使った製品ラインが最終工程に乗らないようにするのはもちろんだが、処理した結果を報告するために、

「異物申告書」

という書類を提出する決まりになっていた。

僕も学生時代にミルク工場のバイトをやったことがあるので想像できるが、食品を作る工場の内部というのは、けっして安楽な場所ではない。今話題とするその工場でも、暑い夏であろうが衛生的な専用作業スーツに身をくるむ必要があるし、工場の中は材料の温度を保つために、エアコンなど使われていない。工場の出入口は、衛生上何重かの仕切りがあり、ハエなどが工場内に入って来れぬよう、大きなビニールのたれ膜のようなカーテンがあり、それがまた空気の流れを遮断するので、現場で働く社員にとってはなおさら辛い環境となっている。

正直苦痛だよな。カスタードクリームとかを、大きなナベ状の機械で作ってるとこ見たけど、ほんと暑くてしんどそう...。

正直仕事中にチマチマ書類の提出なぞ、やってられね〜のである。だからというわけでもないのだろうが、日常未然に防いだ事故は多くあるだろうし、実際大きな問題が外に出たこともなく、優秀な企業なのだが、

工場稼働以来今まで、「異物申告書」が提出されたことが一度もなかった

相次ぐ食品偽装問題を見て、そこの経営者はきっと考えたのだろう。「うちも衛生管理などをしっかりやってるぞという姿勢を外部にも示さないとまずいかな」と。

ある日、ちょっと「?」なお達しが全社員に知らされた。

「今日から『異物申告書』を提出してくれた社員には、終業時にわが社の製品から好きなものを無料で持ち帰っていただく

好きなものと言っても会社が選んで提示するので種類は限られている。それにパンなどの無料配布なら、余った品を普段から多少は持ち帰れるのである。ただ、今回は普段より少し高級な製品が含まれていて、例えば某一流ホテルに納品されている食パンなども置かれるようになったとか。

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その日から突然! 知人の事務机の前に、たくさんの「異物申告書」が提出されるようになった。仕事が終わると、事務室のタイムカード横に置かれたパンお持ち帰りコーナーでは、毎日パートのおばちゃんたちが、ケースに積まれたパンをひっくりかえして選ぶ光景が見られるようになった。まるでバーゲンセールのように

「おばちゃんたち今まで何やってきたんや。現金なもんやで」

書類を預る事務方としても、ついぐちりたくなるとか。

しかし、おばちゃんたちの割り切りはそんなもんじゃない。毎日「異物申告書」を出してパン選びに精を出すうちに、パターン化してきたプレゼントにだんだん飽きてきたらしい。最近、終業時に知人の耳に聞こえてくる、おばちゃんたちの会話。

「あ〜あ、何かこのごろ、お持ち帰りのパンもええヤツなくなってきたな〜」

「飽きてきたからケーキとかも混ぜて欲しいわ」

「ええやつないみたいやから、今日はお持ち帰りやめとこか」

「ほな、やめとこか」

ええパン並ぶまで『異物申告書』出してがんばろか

「せやな。また明日も出しとこか」キャッ、キャッ、キャッ...happy01

そう言って、笑いながら帰って行くおばちゃんたち、

まあ何でもええけど

あのなあ!

ええかげんにせー!!( ̄▽ ̄)

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コメント

三重のというか四日市のスーパーサンシは、おばちゃんの使い方がうまくて、ジャスコの本丸相手に互角の闘いをしていたが、今もそうなんだろうか?と.....昔話でした。

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