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2009-01-23

オバマ新大統領誕生。他に誰を信じれば...?

筍さんから「オバマ以外に誰を、何を信じれば...」とのコメントもいただいたが、またお返事も長くなりそうで面倒なので、もともとアップしようと思っていた記事ついでに普段読んでいたサイトを紹介。

正直NHKなんて、年末には環境保護を理由に教育TVを時間制限までしておいてですよ。わざわざ夜中にああまで、他国の就任式を実況中継する価値があるのかと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?(ってどこのモノマネ!)

オバマ新大統領誕生でブログ界の反応は?ということだが、僕の感触では、TV報道のはしゃぎっぷりに比べて冷静沈着または疑問視する声が多いように思うのですがどうでしょうか。

宗教学者の島田裕巳さんの「経堂日記」は、昨年11月頃「オバマは史上最低の大統領になる予感がする」と言ってました。その根拠をきちっと解説してたわけではないですが、経済政策が内向きなので、金融危機にきちんと対処できるか不安という意味では、僕もあまり期待できませんでした。実際昨日就任式を挟んで株価が下落しましたよね。投資家やトレーダーはあまり楽観的ではないのですよ。

時々コメント下さるnanayaさんは、「暗いニュースリンク」の記事を紹介されていて、史上最多310万人からの小口献金を集めたと信じられているオバマ陣営も、200ドル以下の「少額献金者」は献金者全体の4分の1に過ぎないことに言及されていた。ではその他の4分の3は誰かということですね。

就任式後の辛口を書いた有名ブログでは、例の「きっこの日記」が面白い。(「オバマに浮かれる人たち 1〜4」)

AIPAC年次総会でのオバマの演説のことを書きましたが、正直あの話を聞いたときはまだ、オバマであろうともアメリカのユダヤ人ロビーなどという金持の有力者たちの反感を買うようなことは言えないだろうし、選挙のためには仕方がないんだろうというような、比較的同情的な受け止め方を僕もしていました。

しかし問題はオバマ自身がどういう人物かということだけではないんでしょう。

昨年10月末のNewsweekでは、ジョン・ミーチャム編集長が「変革者オバマが保守に走る理由」と題して、民主党でもリベラルに傾けないアメリカの保守的体質の根深さを描いていました。日本の自民党も同じですが、保守主義というのはしたたかで相手陣営を最終的には飲み込んでしまう力を持っている。結局クリントンも飲み込まれていましたよね。

たしかに今日、大統領就任直後に、オバマはアッバス議長に国際電話し「中東和平について緊急に話し合いたい」としました。しかし問題はオバマというより、アメリカ自身の信頼と影響力。

イスラエルは、パレスチナの人達の居住区を分割してどんどん縮小させてきている。今攻撃されているガザは、地理的に孤立させられた構図。ガザに対して、死海に面したヨルダン川西岸にはパレスチナのもう一つの自治区があります。そこは穏健派ファタハの拠点になっている。オバマが電話したマフムード・アッバス議長はそのファタハの首領で、アラファトの後継者とされています。なぜオバマが電話したのがアッバス議長かと言えば、アメリカのとってきた中東政策が背景にあると。イスラエルやブッシュは、ハ マスに対しては封じ込め政策をとってきたけれど、一方で穏健派ファタハとは交渉してきた。そこを考えると、この両自治区には明らかな温度差があると思います。これはパレスチナ人を、ある種分断させる政策とも言えるのではないでしょうか。逆に言えばアメリカはファタハに対しては影響できても、ハマスを説得できるだけの力を築いてこなかった。この壁は相当厚くて、オバマであっても簡単に超えられるものとは思えません。

日本の政府が人道支援をしようとしても、このアメリカが歴代作ってきた枠組から出ることはできないので、ファタハ系ではない地域へは影響を与えにくい。そこを考えると、民間で「地球のステージ」などのNGOで、ガザへの医療支援などをしておられる方たちは貴重な存在だと思います。

2006年から08年までの3年間、イスラエル側の死傷者は数十人。それに対してパレスチナ側の死者は、今回のガザ攻撃だけで1300人以上にのぼると言われています。多くは民間人。イスラエルにどんな「正義」の言い分があっても、死者の数だけ見ても対象的対立で進行した戦闘とは言い難いと思います。

昨日の就任演説でも、オバマであってもやはり所詮はアメリカの国民と政府の代弁者であって、世界を見ている救世主ではありえないのだという印象を持った人達は多かったと思います。実際「テロとの戦い」に言及すると、中東の一部の指導者を悪として描く論調はオバマも同じでしたし、そこにアメリカ国民も同調する姿があったと。

オバマ政権の閣僚を見ても、クリントンがイスラエルロビーを支持基盤にしているのは有名だし、エマニュエル氏とオルザグ行政管理予算局長はユダヤ教徒。アメリカの大統領の権限は、日本人一般に考えられているより弱いそうで、オバマ一人がリベラルな考えを貫こうとしても、動きにくい構造が歴史的に蓄積されていると思えます。オバマもまた、ミイラとりが...の枠にはまる可能性があるということでしょう。

僕が昨年読んだネットの記事で、オバマの中東政策の行方について一番考えさせられたのは、次の日刊ベリタの記事でした。引用できないのでリンクだけで紹介しておきます。

オバマで何かが変わるのかもしれないし、期待もまたあるのですが、一方でどうなるのか冷静に注視すべき面もあるでしょうね。

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