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2009-06-04

天安門事件から20年

「毋忘六四」!

今日は6月4日です。

最近は日本の高校生でも、かつて日本がアメリカと戦争をしていたことを知らない子が居るという。某スパイ映画の試写会で、20代前半の若者から「"ソ連"って何ですか?」との質問が出たという話もある。

現代史を教える時間が持てない今の日本の教育が、そんな現状を創り出しているのだろうか。私ももちろん戦争を知らない。しかし、子供の頃まだ街角に立つ傷 痍軍人を見た年代。高度成長と冷戦のまっただ中で育ってきた私らの年代以前の人には、太平洋戦争があったことやソ連という言葉すら知らないなど考えられない。

歴史を知らないなど、日常生活に何の支障も無いという人も居るだろう。しかし、両極端な意見に挟まれた時、史実を知らないことは、自分の頭で考えるた めの指針が無いことにつながる。そして憲法問題などを見れば分かるように、両極的判断の対立は、今の日常の中でおこっていることだ。

昨年日本にとって貿易取り引き額最大の国となった中国。今後の経済発展を考えた場合、中共を安易に批判することにメリットは無いという意見も理解できる。ただ人権の問題だけは、経済発展のために無視するわけにはいかないだろう。

チベット、ウイグルに限らず中共国家で暮らす全ての民衆は、20年前からさして進歩していない政治状況の中で暮らしている。ソ連東欧社会主義が崩壊し、東西ドイツの壁が崩れたあの時代に、6月4日の天安門前広場で起きた出来事は世界の動きと逆行する以外の何物でもなかった。

あの時代、日本の共産党はまだ、人権弾圧を強く非難する勇気を失ってはいなかった。しかし最近はどうであろうか? 中共の様々な弾圧事件に対して、「内政干渉」になるとして腰が引けた言葉しか出てこない党員が増えているようだが、時代の何が変わったのだろうか?

古典的啓蒙思想ではあるまいし、「人権」が人間の生まれながらの自然の権利であるなどと言うつもりはない。例えば「何びとも国家によって不当に逮捕・殺害されてはならない」といったテーゼを目の前に置いてみた時、夥しい人達が国家によって不当に逮捕・殺害されてきた史実が対置される。そのような現実を許すまじと、「人権」とは人間が歴史の中で闘い勝ち取ってきた人工的な概念と見ることもできる。少なくとも人間の歴史は「人権」とは何か? の問いを明らかにすることも含めて、「人権」を擁護する方向に積み上げてきた進歩の歴史である。

ならば人権が抑圧されている事実を前にして、「内政干渉」を理由におし黙る行為は、「人類の進歩への敵対行為である」という、日本のどこかの社会主義者の得意なフレーズを、彼らから見た「転向者」である我々が、その社会主義者たちに言わねばならない今の現実はいったい何だろうか? そしてその抑圧行為を続けている国家が、その社会主義国家であるという現実はいったいどう捉えればいいのだろうか?

少なくとも私はよく覚えている。今のようにYoutubeも無かった時代、TVの中に映し出された燃えさかる炎や血だらけの青年達。彼らに突然襲いかかった装甲車。覚えているどころか忘れられないはずだ。頭に擦り込まれた社会主義の未来への疑問に、ちょうど取り組んでいたまっただ中の事件だったのだから。

経済発展を続ける大陸中国では、今も六四の犠牲者の遺族が追悼の儀式を行うことすら、当局に監視禁止されているという。公の中国国内メディアは、六四についていっさい書いてはならないとされている。そのような国家統制下が20年も続けば、1989年の6月4日に何があったのか知らない世代が現れて来て当然だ。あちらの国で起きている現象は、一部の日本の若者が太平洋戦争やソ連を知らないレベルの話では無いのだろう。わずか20年前に、わが国に例えれば東京のど真中のような場所で、多数の自国の同胞が自国の戦車で轢き殺された史実を知らないなどという、そんな教育が中国では進められている。


07年にはこんな事件があったそうだ。

  • 「六・四事件」掲載広告波紋、中国紙常務停職処分 【大紀元日本6月8日】

香港の人権民主運動情報センターは6月7日に、数日前に中国四川省「成都晩報」の分類広告欄に「向堅強的64遇難者母親致敬(六・ 四事件の犠牲者らの母に敬意を表する)」の内容を掲載し、大きな波紋を呼んだ。この件で、同紙の常務副編集長・李少軍氏は7日に停職処分に処され、四川省 委宣伝部は、同紙主要編集者を招集し内部の粛清が行われたことを明らかにした。

 情報センターによると、6月4日付けの「成都晩報」の分類広告料金は僅か40元(約616円)で、計13文字の広告文は、依頼主の身分証明書のコピーさえあれば、簡単に申し込むことができるという。

  関係者らは、「六・四天安門事件」が発生してすでに18年が過ぎても、この民主運動を決して忘れてはいないことから、広告の掲載を利用して、上手に「六・ 四天安門事件」の記念活動を行っていると情報センターは分析した。しかし、このやり方にはリスクが伴っており、一旦見つかれば、「国家転覆罪」に問われか ねない。

 一方、香港紙「南華早報」によると、当局が調査した結果、「成都晩報」の若い女性従業員が、「六・四」の意味が分からなかったため、内容をそのままに掲 載したという。女性従業員は「六・四」の意味について、広告の依頼主に電話で問い合わせた際、先方から「炭鉱事故だ」と回答されたという。

 中国では1989年以降、「六・四天安門事件」の話題はタブーとされていたため、多くの民衆、特に若い世代において、「六・四天安門事件」を含め、本当の歴史を知る人は少ないのが現状である。

今日の「大紀元」の記事はこれ

リアルな写真が掲載されている。


以下、今日の産経新聞の主張より

  • 【主張】天安門事件20年 再評価し政治改革断行を (産経:2009.6.4 02:29)

民主化要求の学生、市民を武力鎮圧した天安門事件から20年を迎えた。中国も世界も一変し、人びとの記憶も薄れつつあるが、国民の意思を銃で弾圧した共産党の専制政治は続き、社会矛盾を拡大再生産している。

 経済発展をバックに、政治・軍事大国化した中国が国際社会の信頼を得るためには、政治制度を改革し、より民主的な社会を目指すべきではないか。天安門事件の見直しは、その一歩になるはずだが、見直しを拒否し続ける中国当局には失望を禁じ得ない。

  天安門事件は、その約1カ月半前に始まった学生らの民主化要求デモを、トウ小平氏ら保守派指導者が一党独裁と社会主義を覆す動乱と見て武力鎮圧したもの だ。その衝撃的映像は世界を震撼(しんかん)させ、西側諸国は対中制裁を実施した。中国は国際社会から孤立し、西側に依存したトウ氏の改革・開放路線も危 機に陥った。

 しかし中国はその後、トウ氏の号令で対外開放と市場経済化を加速して急速な発展を遂げた。中国当局はそれを根拠に今日まで当 時の武力行使を正当化してきたが、社会主義制度下の市場経済は、格差の拡大、腐敗の蔓延、有害食品やコピー商品の氾濫、環境破壊 などさまざまな矛盾を生んだ。

 その要因は許認可権を握る党官僚と資本家が結びついた利権構造にある。1989年の民主化運動はそれに対する異議申し立てだった。天安門事件以後の急成長の中で、それらの矛盾、問題は一段と深刻化し、近年、国民各層の反抗や暴動が頻発している。

 当局はそれが天安門事件同様の大衆運動に発展することを極度に警戒しており、言論統制を強化しているが、ネットの普及によって党への不満、不信が表出するのを抑止できなくなった。

  89年の民主化運動は、報道の自由や司法の独立など党を監視し、国民の民主的権利を守るシステムを要求した。それに同情し、事件で失脚した故趙紫陽元総書 記は、最近刊行された回想録で議会制民主主義への移行を提言している。天安門事件は一党独裁に起因し、民主化も権力の監視システムの構築も不可能との認識 による。

 だが胡錦濤現政権は和諧(わかい)社会論を唱え、一党独裁下で民主化を図るとしている。社会矛盾を緩和して民主化を実現するには、天安門事件を再評価し、政治改革を断行することこそ必要ではないか。

以前別の記事でも紹介したことがあるが、天安門事件を知らないかもしれない日本の若い人達向けに、よくYoutubeで流れている動画も紹介する。

Tiananmen Square Massacre

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