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2009-07-07

新疆ウイグル自治区ウルムチで3000人規模の蜂起

くだらない記事の後、趣味にふけって1週間以上ブログを放置していた。静岡知事選のことでも書くか〜と思っていたら、それどころじゃない。大陸では大変なことが起きている!

メディアの書き方はあいかわらず「暴動」「騒乱」である。しかしここでのタイトルはやはり「蜂起」にした。昨年のチベット蜂起と、発生した状況も中共の発表の内容も酷似している。

最初ウイグル人3000人に対して、警官隊+武装警官1000人が衝突しているとのニュースだったが、時事通信の記事を読むと、3万人を超える軍・武装警察部隊が投入されているとある。状況の過激さが想像つかない。

チベットの時の「教訓」からか、中共政府はすぐさまネットを遮断。しかも現地の情報を政府寄りに制御しようという意図で、矢つぎばやにニュースを発信しているが、内容はチベットの時とよく似て中共に都合よく脚色されている。

現地からの報告では、武装警察の装甲車がウイグル人17人をいきなり轢き殺したという報告もあるそうだ。中国政府の発表では、「暴動は、在外ウイグル人組織「世界ウイグル会議」がインターネットなどを通じて呼び掛けて発生した」などと言うが、「世界ウイグル会議」の関係者からは、中国国旗を掲げた平和的デモが弾圧されたと言われており、このあたりもチベット蜂起の時とよく似ている。
ウルムチの市政府は6日、5日夜に発生した住民による暴動で少なくとも140人が死亡、828人が負傷したと発表しているが、新華社の報道なので実際の死傷者、特にウイグル人側の死傷者はもっと多いことが予想される。

すでにTVでも一部報道されているが、さすがに普段からこういった問題を中心に取り上げているブログは情報が速い。(引用はしないので、読んでみて下さい)

真silkroad?

日々是チナヲチ。

ここらあたりを読むと、きっかけは、6月下旬に起きた広東省の玩具工場で発生した衝突事件のようだ。これはウイグル人と漢族の従業員同士の衝突事件だが、約8000人の従業員の工場で、ウイグル族約600人が採用された5月以降、女性従業員への暴行などの事件が相次ぎ、ウイグル族の仕業と見なした一部の漢族が宿舎を襲ったというもの。ただしこれも、今回の蜂起がウイグル人らの「報復攻撃」だという印象につながるニュースに思え、事件を本当にウイグル族の仕業と見なす中国人筋には、ウイグル人への反感を煽る効果があるだろう。

むしろ、下記CNNの記事にあるように、世界ウイグル人会議からの情報に書かれているような、デモ行動への弾圧のほうが直接の契機ではないか。情報によれば、ウルムチの住民らが韶関市当局による差別的措置への抗議行動を平和的に行っていたところへ、人民解放軍が取り締まりに乗り出したとの見方である。去年のチベットの時も、似たような平和的デモに対して、かねてより治安強化を狙っていた当局が突っ込んだという経過が、後になって報告されている。

今回、中国当局は6日中に鎮静化したと言うが、今後どうなっていくのか非常に気になる。

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産経の記事にもあるように、9.11以降アメリカの対テロ政策に協調することで、中国は国内の周辺民族の行動を抑え込もうという意図がある。つまりは自国の人権抑圧から起こる反政府抗議行動を「テロ」と見なす印象操作をして、国内外の世論を誘導する意図が見えかくれする。特にウイグルはイスラム教徒が多いので、こうした印象操作には、我々の側も思考停止状態だと飲み込まれやすいと思われる。日本のマスコミの報道も、ある程度中途半端なので、こうした「独立派=テロ組織」と見る見方に流された報道でないかどうかもチェックしていかなければ、事実が見えないだろう。

個人的には"漢人"とひとくくりな書き方にも抵抗はある。08憲章に見られたような漢人側の運動が、周辺民族の運動と呼応して、同時多発な共鳴運動へと発展して行くことを願う。

以下今日の産経の記事から。

【ウイグル暴動】独立派を支える民族感情 不安定な状態継続は不可避 (産経:2009.7.6 19:33)

【北京=伊藤正】中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで6日発生した大規模な暴動は、漢族の「支配」に対するウイグル族など少数民族の根深い反感を背景にしており、チベット問題同様、少数民族政策が中国政府のアキレス腱(けん)であることを改めて示した。中国は、今回の暴動を分離独立派の策謀とし、その弾圧に一層力を注ぐ構えだが、民族対立が激化し不安定な情勢が続くのは不可避とみられている。

中国当局の発表では、今回の事件は、広東省で6月末に発生した漢族とウイグル族の衝突をめぐり、在外のウイグル人組織「世界ウイグル会議」が「決起」を扇動したためだという。昨年3月のチベット騒乱と同じく、漢族支配への抗議が大流血事件に発展したのは、少数民族側の反漢族感情の強さを物語る。

新疆地区は、特に1990年代以降、交通インフラの建設が進み、年平均10%超の経済成長を遂げた。全国の3割前後の埋蔵量を占める天然ガス、石油をはじめ地下資源の開発ラッシュが起こったが、その関連産業などを含め、経済ブームを担い巨大な利益を手にしたのは漢族企業である。

むろん少数民族住民も経済発展の恩恵に浴したものの、ウイグル族学者らによると、自治区経済の9割は漢族が支配、ウイグル族ら少数民族の言語、文化、宗教も破壊されているという。チベットでは漢族は6%にすぎないが、新疆では40%を超え、ウルムチでは漢族が最多になった。

こうした状況は、漢族を、資源を略奪し環境を破壊、民族滅亡を図っていると非難する分離独立運動が、当局の弾圧にもかかわらず生き続ける理由になっている。

中国政府がチベットと併せ新疆の分離独立を容赦しないのは、経済的理由以上に戦略的な価値による。従って、今回の事件を機に、中国政府は、分離独立派の壊滅に躍起になるはずだ。

中国は今回、「国際的陰謀」と宣伝、強気の姿勢にでている。事情はどうあれ約1千人もの死傷者をだして国際社会の批判など気にしていないポーズを取るのには理由がある。中国は新疆の分離独立派の後背地である中央アジア諸国を上海協力機構に抱き込み、反テロの共同戦線を張るのに成功した。2001年9月の米中枢同時テロ後は、米国に協調する形で独立派組織を徹底的につぶしてきた。

人権問題に敏感な米欧が、特に金融危機以後、対中依存を深めていることも、中国に有利な環境にある。しかし新疆の独立派支持派を抹殺できないことも否定できないだろう。

以下、北京(CNN)2009.07.06より

   

中国新疆ウイグル自治区で騒乱、住民多数死亡か

中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチ市内の市場がある地区で5日午後、大勢のウイグル人住民の騒乱があり、警察が市内を厳重封鎖した。国営の新華社通信が6日伝えた。正確な死傷者数は今のところ不明だが、多数の死者が出ているとの情報もある。

新華社によると、住民らは通行人を襲撃し、公共バスに放火し、道路交通を妨害したとされる。騒乱を起こした住民の規模や動機には言及していない

目撃者によると、現場に駆けつけた警官隊が道路にバリケードを築いて住民らを抑え込もうとしたものの、住民らが警官隊を圧倒し、「通り過ぎる車やバスに投石していた」という。騒乱がエスカレートすると何百人もの武装警官が出動し、催涙ガスや消防車の放水で住民らを散会させた。この時トラックや救急車、戦車のような装甲車が目撃され、散発的な銃声が聞こえた。

ウルムチ市内はその後封鎖され、人民解放軍の兵士らが路上に展開。武装警官は騒乱に加わっていた人々を追跡し、「多数」拘束したという。騒乱は、中国南部・広東省韶関市の玩具工場でウイグル人従業員と漢民族従業員が衝突し、ウイグル人2人が死亡した事件が引き金だった可能性がある。

ドイツ南部ミュンヘンを拠点とする世界ウイグル人会議の関係者は同自治区からの情報として、軍用車に複数の遺体が載せられている現場が目撃されたと述べた。関係者によると、ウルムチの住民らは韶関市当局による差別的措置への抗議行動を平和的に行っていたが、約40分経過したところで人民解放軍が取り締まりに乗り出し、戦車を含む50台余りの軍用車が市内に入ってきた。ウイグル人らには外出禁止令が出た。

消息筋によると、同地区カシュガル市内にも人民解放軍の大規模部隊が入り、学生らが外出を禁止された。ウルムチに続く道路沿いでは、住民が拘束されていたという。

世界ウイグル人会議は、中国の法律で平和的な抗議行動の権利が認められていると指摘し、中国当局によるウイグル人へのこうした対応は「民族差別」だとして注意を呼び掛けている。

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コメント

東トルキスタン(ウイグル)の独立に向けて、みんなでがんばりましょう!!ウイグル族を虐殺した漢族は必ず近いうちに日本人を虐殺しにやってくる。東と西の違いだけで、ウイグル族の惨状は漢族に食い荒らされた将来の日本の姿です。自分だけ栄耀栄華を誇る漢族に虐殺されてしまいます。

今回中共は積極的に情報を海外メディアに流すことで規制できると考えたようですが、誰がみても中共に都合のいいソースばかり。一方でネットは遮断ですからね。
本質的には何十年も変わっていない中共の暴力性、強圧政治には、いつも唖然とします。

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