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2010-02-18

障害者の居ない社会とは何か??

昨年末に、高度医療と障害の関係について発言したどこかの市長のブログが話題になりました。高度医療の問題などその道の専門家以外に分かるわけないですが、医療科学が倫理問題の側面を持つことは誰でも気付くと思います。脳死問題と似て非常に微妙な話ではないかと。

専門的な資料までは探せませんでしたが、以前、遺伝子異常(トリソミー)ゆえ典型的な先天性障害と言われるダウン症でさえ、後天性の障害(と言っても、もちろん胎内でおきる何らかの原因)である可能性がある、とする学説を聞いたことがあります。

ネットのどこかで不思議な記事を読みました。(専門の方にすれば普通のことかもしれませんが)

つまり、障害者では無いが、急性骨髄性白血病で入院している人が居て、検査の結果21番染色体の後天的異常が見つかった事例があるという話です。原因は不明。専門的なことは難しくて分からない。だが、素人には遺伝子などというものが変異するという話がなかなか理解できません。

ダウン症の人は、21番染色体が1本過剰で3本ある(トリソミー)。全細胞の21番がトリソミーならダウン症になるのでしょう。しかし病気による後天的異常の場合、増殖しても部分的な細胞異変に留まるので、ダウン症にはならないと思えます。ただ、後天的に染色体異常が起きるという事実があることに注目してしまう。

よく考えてみれば、動物は皆、種によって微妙に遺伝子の中身が違うわけだから、進化の過程のどこかで、必ず遺伝子は変異している。人類はまだ全く新しい種の出現にリアルタイムで出会っていないか、出会っていてもそれを子細に研究できていないから、この変異の現象に踏み込んでいないだけなのでしょう。

しかし、動物の進化の過程をなぞると言われている胎児の成育の全貌を、今の医療科学が解明しているとは思えません。例えばその発育過程で、遺伝子に変異をもたらす要因が外部から働いて、何らかの機能障害が起きるとしたらどうか。将来の胎児発育研究が進化した時、ダウン症の環境的原因のようなものが発見されないとは言いきれないのではないでしょうか。そしてそれが人為的社会的な遠因とつながっていることが発見されるかもしれない。そこまで言うとややSFじみてくるが、ありえない話では無い。

結果的に、全ての障害は(社会的環境を含めた)環境がつくり出すというような結論が出るかもしれません。そう考えると医療科学は、例の市長が言うような「以前は自然に淘汰された機能障害を持ったのを生き残らせている」などといったものではなく、障害が障害となる原因を明らかにする科学でもあります。

しかしこの問題はそう簡単ではないでしょう。つまり、医療科学は本当に障害者を「生き残らせていく」(例のこの表現は最悪ですが)ものかどうかということです。医療科学が全ての障害の原因を明らかにしたところで、それが社会の倫理観を変えるほど強くは無いわけで、未来の医療科学が突き止めたものを、社会の側はその倫理観を変えずに単に利用していくだけかもしれない。

ひょっとしたら未来はガタカの世界が待っているのかも? ...なんてことを勝手に想像してみると、ふと思うわけです。

障害者の居ない社会は幸せな社会か??

例の市長の話。ものごとを考えさせてくれる点では建設的とは言えるのですが、市長が議論したいらしい文化論や社会論だけの枠で考えられるほどには、なかなか単純ではないと思えてきます。(この話あと多少つづくかも...)

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