« 地下鉄サリン事件から15年 | トップページ | 核密約問題で...久しぶりの不破さん登場 »

2010-03-23

アメリカ海兵隊レポート

短時間なものではあったが、3/22の報道ステーションでアメリカ海兵隊の訓練を取材したレポートを放送していた。

かつては兵士の成り手が減少し、慢性的な人手不足(特に陸軍は深刻であったとか)のアメリカ軍も、このところの不況で、安定した収入を求める若者の志願者が増加しているのだとか。入隊直後の年収こそ円換算で250万と安いが、確実に昇給し軍内に居る限り自分自身の生活費はあまりかからず、家族にまで医療保険が付き食事手当が年間30数万出るなどが魅力とか。今後アフガンへの増派でさらに求人枠は増えるだろう。

Nm_afghanistan_090331_main_2

「平和には犠牲が伴う」と公衆の前で演説できるオバマには、もはや平和のイメージなど感じられない。金融危機後の人々の暮らしが、戦争によって立ち直るのなら、また同じ歴史の繰り返しだが、それがオバマの時代になるのなら何と皮肉なことか。

イラクに派兵されて負傷し、精神的にもダメージを負ったある帰還兵士が語る。「お金がほしいという動機は、兵士になるには明らかに間違った動機だ。戦場に行けばそのことが分かる。」がしかし、戦場に行かなければ実感できないことなのかもしれない。

海兵隊の新兵訓練(ブートキャンプ)は、やさしい若者のプライドを粉々に壊し、人格を戦争向きに変えてしまうことを主眼とする。敵前突入の任をまかされた海兵隊だから、なおさらそこに兵士教育の重心が置かれる。

Usmarines

入隊した若者たちは、とりあえず48時間眠ることが許されず、教官は常に耳もとで罵声を浴びせ続ける。教官の命令には絶対服従で、「イエスサー」OR「ノーサー」以外の返事をしてはならない。そこはS・キューブリックの映画「フルメタル・ジャケット」に描かれた世界と、今も全く変わらない。

あの映画の中で、戦場に行く前にすでに精神を病み、訓練所のトイレでライフル自殺する太った青年が居たのを思い出した。そんな実態が今も続いているのだろうか。しかしあの映画でさえ、「ハートマン軍曹のような男らしい軍人がカッコいい」と受けとる人も、中には居るのだからやりきれない。

この異常にストレスフルな世界を見ると、住居のそばに基地がある沖縄の抱えるものも多少は想像できる。「KILL! KILL! KILL!」と銃を振り回しながら前進する訓練。毎日そんな人格破壊を叩き込まれて、理性を破壊されたアメリカの青年たちが、アフガンやイラクに行き来する間の数週間を沖縄の住人と接して過ごす。その危険なモラトリアムに、犯罪の確率が高いのは当たり前だ。基地をめぐる折衝の中で、沖縄住民にとってもアメリカの兵士にとっても深刻なこの問題が、ほんの少ししか話題にされないのが不思議に思える。

アメリカの若者に向かって一つ付け加えることを、お気楽な日本人だからこそ言うことにする。かつてのベトナム反戦運動の時代に大きな流れになった「徴兵拒否」を思い起こすのも必要ではないか。戦争に対峙する時、坂口安吾のように社会に冷めて不真面目であることは大切な価値だ。時には弛んだ弱い若者こそ万歳である。

「逃げる力」が戦争の続行を物理的に追い詰めるのだと、そこは普段あまり良い意味で使われない「数の力」というものを思い起こせと。

Us_marines_wwii_war_poster
「常に前進せよ!」第二次大戦頃の海兵隊のポスター

« 地下鉄サリン事件から15年 | トップページ | 核密約問題で...久しぶりの不破さん登場 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/120253/47882892

この記事へのトラックバック一覧です: アメリカ海兵隊レポート:

« 地下鉄サリン事件から15年 | トップページ | 核密約問題で...久しぶりの不破さん登場 »

aBowman

別荘はこちら

  • Marbles2
    音楽、美術、映画、本など趣味的なページはここに移転しました。考えるのが面倒だったので、タイトルは単に2です。

ウェブページ

2018年8月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

mail

  • 82pkdick@gmail.com

最近のトラックバック

無料ブログはココログ