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2010-07-06

消費税、またも共産党の勘違い

共産党が「消費税アップの本当の狙いは社会保障や財政再建ではなく、大企業優遇にある!!」と主張している。

消費税への反対賛成の各党ニュアンスは少しずつ違うし、社民党なども消費税アップには反対しているものの、消費税増額が大企業優遇だという主張を前面に出し、法人税率引き下げ分を賄うまやかしであるとの主張をしているのは共産党だけのようだ。

実際、各党代表討論会での志位和夫も「消費税というのは大企業が1円も払わない悪税制なのです!」と言っていたし、最近の市田氏も小池君も、その他末端ちゃんたちも、みんなでこれを大合唱だw

「大企業は1円も払わない」というのは、法人税率引き下げによる税収不足の穴埋めに使われるということが言いたいのだろうが、なんせ表現がおかしい?? これじゃパン工場(近所にあるw)で働くパートのおばちゃんたちも「はっ??」だろう。

この共産党の主張は、1989年(平成元年)4月に消費税法が税率3%で施行されて以降の、法人税減税額と消費税増収がほぼ同じという計算から来ているようだ。(「消費税を考える重要情報/日本共産党」)

ネットで共産党が出している資料を見ていくと、最近の資料は昨年始め麻生自民政権が同様に消費税アップを匂わせた際に書かれた資料を数字的に継ぎ足したもので、大筋の論理は変わらない。

共産党の言っていること全てが間違いではない。実際、消費税の使途として確実に社会保障・福祉に使われるとは言えない。日本経団連会長の御手洗キヤノン会長が「法人実効税率引き下げの財源を消費税で」と言ったとかいう話は本当だろうし、また今でも、例えば菅内閣のブレーンになった経済学者 小野善康氏は「消費税収を雇用対策に」つまり小野氏の言う「良い公共事業」(笑)にと言っている(今週号の「週刊ダイヤモンド」)。

しかし、かと言って共産党が特に強調する「消費税=法人税の穴埋め論」は、かなりテキトーな言い分ではないだろうか?

これについて誰か専門家が書いていないかと発売中の経済誌を漁ってみたが、バカらしくて相手にしていないのか誰も言及していないようだ。共産党の論は要するに、消費税が導入されて22年間で消費税の税収は総額で224兆円になり、同時期の法人3税の減収は208兆円にのぼるのでほぼ同額だから...、同額なんだからきっと穴埋めに使われたに違いない....という推測の域以上の説明が無い。

ここ数年に渡り法人税収入は税率の低減効果も虚しく(...とあえて書く)下がってきているが、共産党の主張は、そもそもなぜ法人税収がそこまで下がったのかという昨今の経済事情を無視した単なる数字上のレトリックに思える(いや、レトリックなんてカッコエエもんじゃないかw)。

共産党の試算では、

今後も法人税率ダウンと消費税率アップを抱きあわせていくと、消費税は年間 +11兆円の増収で、法人税は ー9兆円の減収になる

と言う。

はたしてこの試算は正しいのか?

法人税率を下げることがはたして景気浮揚につながるかどうかは諸説あって、あくまで私ごときに結論は見えない。その諸説あるという事実をふまえた上での、以下はあくまで共産党の「理屈」への疑問である。

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TVの政治討論会などではすでに民主党の玄葉光一郎が小池晃に反論しているが、共産党の主張は、法人税がもっともっとあった過去の計算を規準としているらしく、今のように大企業も不況対策に追われる時代には当てはまらない。

Zeisyuusuii_3

国の税収はだいたいがバブルの頃は良くて、その後おおむね下がっており、法人税は平成元年(1989年)の19兆円が過去最高だ。

左の、2009年の赤旗が載せているグラフ(これをアレンジしたものが最近の宣伝物にも使われている)は、一番法人税収のよかった1989年を規準としているところもわざとらしく、法人税の減収分だけをグラフの下部に、消費税増収分のグラフと対象化させているので主張の裏付けとしてはもっともらしく作ってある。

でもこの計算、法人税の税率が今より高くて税収の一番良かった頃を規準にして、あの頃と比べるとこれだけ入るはずだったのに....という計算なんだろうか? だとすればこの時点で相当いいかげんなグラフである。なぜって法人税は税率が同じでも、かなり変動巾の激しいジャンルだからだ。そういう意味で玄葉光一郎に笑われたのも当然だろう。

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共産党の資料だけでは分かり難いので、財務省の発表している資料も見てみよう。まず「法人税率の推移

082

現在の法人税は、地方税ベースの地方法人特別税を含む実効税率から言うと約40%。上記グラフは基本税率だけで記載しているので30%のまま推移している。この30%へと大きく下げられたのは平成11年(1999年)だが、「主要税目の税収(一般会計分)の推移」を見ると、実際は直後数年に急激に減収したわけではない。

減少巾だけで見ると、バブル崩壊後と平成19年以降が過激で、「失われた10年」から「リーマンショック」に至る法人税収減は明らかだが、4〜5年単位の動きを追うとずーっと税収が下がり続けているわけではなく複雑なのも分かる。

面白いのは、税率を下げた平成11年の後、平成18年にかけて税率は同じままで税収がもちなおしていることだ。平成18年に至る数年とは、第2第3次小泉内閣の時代で、バブル崩壊の2〜3年前程度の税収に持ち直しているのが面白いが、なぜだろうか? この事実自体が、法人税率を下げて企業が活性化する可能性があることの証明ではないだろうか。

011共産党の言い分は、このように共産党が大嫌いな小泉・竹中時代の増収の話題を避けているところがわざとらしい。現実の税率の下方修正と税収の上下の動きが必ずしも連動していないこと、時には逆方向に動くことを全く説明しないのである。(連動しないのはあたり前なんだけどw)

共産党の載せているグラフを見てもむしろ確認できるのは、法人税や(当然所得税も)のような税源は景気の変動を非常に受け易く、逆に消費税は安定した財源だという、よく言われる点である。

法人税率を引き下げても景気が回復していれば税収は伸びるのに、共産党の主張はあたかも、法人税収減が税率引き下げだけを原因としているように聞こえ、かなり??? ┐(´-`)┌ である。小泉・竹中時代のように税率が同じまま法人税収がアップすることを、共産党はどう説明するのだろうか。

法人税の減収は性格上経済低迷による影響をモロに受けるのだから、共産党のようにその税収減の数字と消費税の税収増額という全く原因の違うものを結び付けることには無理を感じる。それに法人税は、その他インフレ・デフレ要因、円高・円安要因など、様々に絡み合う要素にも影響されるのだから、総額だけが似ているからという「消費税=法人税の穴埋め論」は、ドンブリ勘定だけの、いかにも経済オンチな政党が言いそうな雑論ではないだろうか。

そういうことを言うと、小泉竹中時代は税収がアップするぐらい大企業は儲けたが、製造業派遣が常態化した悲惨な時代だったという人がきっと居るのだろう。しかしそのことと、ほぼ横ばいに推移してきた消費税収がどう関係あるのか?

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今回の参院選で消費税反対を打ち出したことは、共産党らしくて正しかったと思う。しかし理屈の持っていき方がどうも勘違いしている。今だに大企業の内部留保を吐き出せと言っている共産党らしいオチャメな素顔かもしれないw

変な小理屈考えずに、むしろ正面から与党や自民に反論すべきだった。消費税は社会保障財源に適したもの(そこは様々議論もある)かもしれないが、あえて今すぐでなく、もっと無くせるムダや余剰があるだろうとして消費税に反対すること。それを経済成長戦略とセットで提言するのが正道だが、

    共産党に経済成長戦略を求めるほうが野暮である(笑)

それができれば"みんなの党"に支持率抜かれたりしないわなw

税率引き下げを競って企業誘致を進めてきたヨーロッパなどに比べて、日本の法人税は現実に高く、日本の優良企業が法人税の安い東南アジアなどに逃げて行くことを防ぎ切れていないと言われている。10年前のような技術の詰まったコアな部品は国内で、組み立ては中国や東南アジアでというのでなく、現地生産、現地販売で無ければ利益が出難いようなグローバル経済の下で、日本の優良大企業が外に出て行く状況を放置するなら、大企業に喰わしてもらっている中小企業は困り、雇用も海外に逃げていくだろう。

ただ日本の法人税率が本当に海外より高いかどうかも、課税ベースが国によって違うので、いろいろ議論の必要な部分だそうだ。民主党の政府税調専門委員会が提言している政策は、税収減が極端に進まないようにするために、この課税ベースの拡大と法人税率ダウンをセットでバランスを見ながらやろうというものらしいので、そういう形ならやってみるのもいいかもと思っている。

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共産党の政策は捉え方がどうにも単純で、長い経済スパンではやはり矛盾してくる。短絡した「大企業優遇反対論」は、場合によっては雇用も破壊するので、国の財政にも無責任な立場で言っているにすぎない。

またいつものように弱者向けの「耳ざわりの良いこと」を言っているだけではないだろうか??

などとくどくど書いてきたが、ふと今日もらった共産党の街頭ビラに載っているグラフの「これから」と書かれた部分をよく見て、あることに気付いた。これは爆笑だ!

すでに紹介した、これからも消費税は+11兆増えるが、そのうち9兆円は法人税減税で消えるという主張をしているグラフの、法人税「年間マイナス9兆円」と書かれた紫色のグラフの下に、老眼のオレには読めないような、ちーーーーさな文字でただし書きが書いてある。

曰く、法人税「年間マイナス9兆円」になるのは、

    (景気が回復した場合)

だとさ!!

なーーーんだw

自分の屁理屈が破綻してるの、

よーく分かってんじゃんW 共産党 o(*^▽^*)o

 

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コメント

東京選挙区で投票するからこそ、実感することがいくつかあります。
①選挙区が田村智子(ともこ)なら投票する気になったが(比例当選)、小池晃には入れる気にならなかったこと。政見放送で「医師としての政策提言」では、むしろ石原結實(ゆうみ)の方が好きになったこと。
②「みんなの党」公認が、タリーズコーヒー社長の松田公太で、政見放送の冒頭で「みなさん今朝は、おいしいコーヒーを飲みましたか。」と言った事。(私は1,575円のコーヒーメーカーを3年使っていますが。)
③新しい議員会館が、一般人は受付票を書く前に荷物チェックを行い(空港程度)、受付時にデジタルカメラで撮影し、議員室に面会者の顔写真をメールで送ること。ちなみに「旧」では荷物チェックは「面会」が確定した後で、議員室が入館を「許可」すれば、1日中会館にいても構わなかった。
④新議員会館は食堂が一般並みに値上げされ、お土産屋がなくなり、コンビニとしてam/pmが入り、「タリーズコーヒー」が入ったこと。

「タリーズコーヒー」しっかりやることやってるわけですね(笑)
新議員会館のテーブルなどは北欧製ってほんとですか? 国産買えよ!ってTVで批判されてましたがw

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