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2012-02-26

光市母子殺害事件と「左翼」な人たちの相関図

1999年の山口県光市母子殺害事件、すでにご存知のように先週、最高裁による判決で上告が棄却され、大月孝行(旧姓福田)被告の死刑が確定した。

マスコミが一斉に犯人の顔写真と名前を公表したことに賛否両論飛び交っているが、ネットではとっくに知られた顔なので何をいまさら...。「大月?たしか福田じゃなかったっけ?」と思い事情を知って、そんな奇特な人がいるんだとむしろそこに驚いた人が多かっただろう。私は別に「死刑廃止論者」じゃないが、かといってここで死刑の必要性を説くほどの準備もないし、その手の微妙な話は止めておく。本村洋さんも「勝者は居ない」と言っていたことだし。

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以前ある人が言っていた。この事件の犯人は、コリン・ウィルソンの『現代殺人百科』冒頭に出てくるボストン絞殺魔アルバート・ヘンリー・デサルボの模倣犯ではないかと。確かに排水検査の作業員を装って侵入したことや「ちょうちょ結び」の件など似ていなくはないが、模倣犯と言いきれるかどうかは微妙。ただそんな意見も聞きながら、デサルボの殺害の方法やこの少年Fのやり口を比べていると、犯人がいかに異常な精神の持ち主かが実感できてくる。少年Fが獄中で書いた文章など読むと、けっして知能的に劣った人物では無いと思え、デサルボの記事があの本の最初に載っているケースであることは、逆に犯人が読んだかもしれないという想像を誘う。模倣犯という一つのとらえ方も興味深いかもしれない。

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07年の差し戻し控訴審で、弁護側の要請で元少年の心理鑑定を行った専門家の証言が行われたのを憶えているだろうか。証言したのは日本福祉大学の加藤幸雄教授(当時副学長)という人物だった。

当時の加藤教授の証言はこう。

「元少年は事件当時、中学生のときに自殺した母親の体内に回帰したいという、赤子のような心情が高まっていて、赤ちゃんを抱いた本村弥生さんを見たとき、本村さんが自分の心情を受け入れてくれると信じて、疑わなかった」これが鑑定結果。

で、さらに「早い段階で自分に鑑定が求められていれば、この事件が性暴力ストーリーとして世間に固定されることはなかっただろう」とも言った。

この証言には当然のことながら、世論の激しいバッシングがあった。これは実際に日福大に職員として努める人から聞いたことだが、大学側に相当な抗議の電話やFAXが殺到したとか。

あの話があった頃、たまたま何人かの日福大出身の共産党員数名と話す機会があった。その人たちのうちにはどうも世間の感覚と違う人たちが居た。「大学への抗議で世間の意見を知って、いろいろ考えさせられ、自分たちの見方を外から見て反省することができた」といった言葉。私はいちいち批判せずに、そうか〜それはよかったな〜と聞いていたが、本心バッシングが無ければ何かおかしいとか思わなかったのかと。

実際そういう党員ではなく、日福大の非公式なネット掲示板に集う学生になると、「自分たちの大学にこんなのが教授でいるなんて恥ずかしい」といった意見も多く見られた。うちの嫁は日福大出身で元党員だが、あの教授の話には最初から激しく、それも生理的に拒絶反応していて「人間として最低!なんたって犯人は屍姦したのよ!そんな汚らわしい者を擁護する教授なんて早く辞めてしまえ!」とことあるごとに言っていた。女性として当然の反応と思う。

ネットで流れた"犯人を早く殺してしまえー"的なバッシングは、それはそれで気持ちが悪く、同じように言おうとはもちろん思わなかった。ただ犯行状況も詳細に解明され犯人も確定しているこの事件、弁護団の一時の弁明方針は極めて不可解だったとは言え、彼らも別に被告が真犯人かどうかで争っているわけではなかったのである。にも関わらず、どうも私の知る範囲、共産党員の中には、この事件についてどこか世間とは全く違った受け取り方をしている人が多かったように思えた。まるで冤罪であるかのように言う者がいたり、無期懲役すら不当であるかのように捉えたり...。

それに、最高裁が広島高裁に審理差し戻しを決定した時(06年)もそうだったが、赤旗のこの事件に対する扱いはなぜあんなにも小さいのだろう?一般紙がこぞって一面に載せているのとはおよそ対照的だ。

加藤幸雄教授なる人物や光市事件の弁護団と日本共産党が何か関係あるだろうか。党がこの裁判の背景で誰かに何か指導をしたとかいった話は聞かないし、おそらく無いだろう。それでも前から何かがどうも気になるのであった。

「WITH YOU」というマイナーな情報紙の2004年秋号の記事がネットにある。
日本福祉大学副学長 加藤幸雄の子供への虐待問題について書いた記事。プロフィールによれば日福大教授の前は家庭裁判所調査官を務めていたらしい。記事そのものを読んでも、どうということのないまともな意見に思える。なぜああいった奇妙な弁護をしたのか。

被告の生育歴の中で、父親から激しく虐待されたこと、中学1年の時に心の支えだった母親が自殺したことなどに注目して精神鑑定したのは当然だと思うが、もとよりそれだけを弁護の理由にできるような犯罪ではなかった。想像としては、この教授の関心は、虐待され心にトラウマを抱えたまま大人になった人が、いかに自分のこどもへの虐待を繰り返すか、犯罪にどうつながっていくかということだけにあり、その専門分野からの限られた視点からしか被告を見ていなかったのではないか(ところで、その加藤幸雄教授、一時は学長になっている...ウゲw(゚o゚)w)。

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この2007年の広島高裁での差し戻し控訴審では、21人もの弁護士団が組まれ、おまけにこの弁護団、犯人の依頼を受けたわけではなく自腹を切って集まった有志だった。中心人物は言うまでもなくかの安田好弘。当時犯人の弁護よりも、死刑廃止を求める自分たちのイデオロギーのために、この光市の事件を利用している恥ずべき左翼弁護士たちとよくネットなどで酷評されていた。

世間ではもうさんざん話題にのぼったことだが、当時の被告の証言、「押し入れはドラえもんの何でも願いをかなえてくれる四次元ポケット」「ドラえもんが何とかしてくれると思った」という呆れ返る陳述も、弁護団との相談の上でのストーリーだったらしい。

被告が死亡した弥生さんを屍姦したことについて「生き返ってほしいという思いだった」と語った時、多くの良識ある人たちは、もうこの弁護団は終わったなと思っただろう。結局このような荒唐無稽なストーリーを被告に語らせてしまった彼らは、被告の更生可能性を多少でも汲み取って、少年法を解釈してきた人たちの良心をも白けさせてしまった。広島高裁の控訴審で明らかにされた獄中から友人にあてた被告の手紙に見られたような、何の反省もないふざけた性格をたとえいったん横に置いたとしても、あの弁護団のやり方は、世論はもとより裁判に携わった関係者の同情をも潰してしまい、結局自分たちの意図とは逆に被告を死刑に追いやっただけだったと思う。

07年の差し戻し控訴審の後、08年の3月に東京四ツ谷の「主婦会館プラザエフ」という場所で「『光市事件』弁護団に聞く」というシンポジウムが開かれた。このシンポジウムの主催者は「『光市事件』報道を検証する会」という団体で、弁護団メンバーも加わっている団体らしいが、これも党派的にどこと言いきれる組織では無いと思われる。ただ、そのシンポジウムで弁護団が行った裁判批判の仕方は、多くの参加者を呆れさせたというから、主催団体の思想的立場の奇妙さも透けてみえる。惨い現場検証の写真も映し出される中で、被告には殺意はなかったと語るために、弥生さん殺害の状況からして検察側の言うような絞殺の形には無理があるとか、赤ちゃんの遺体に手で首を絞めた痕跡がないとか、犯行現場の状況を全て自分たちの都合のいいストーリーにでっちあげていく弁護団の様子は、当時雑誌などで詳細に報告された。とくに殺害状況を笑いながら語っていたというのが非常に不快だった。

日弁連は共産党員の多い団体だ。そのへん例えばこういうブログも参考になるんだろう。ただこの光市事件の弁護団のメンバーは別に全員共産系というわけではなく、社民党系列の団体の弁護をやってきたような弁護士も含まれていると以前聞いた。だから、この左翼弁護士たち=共産党系というほど単純な構図ではない。だがそれで共産党はさほど関係ないとスルーできるほど無関係とも言い難い。語られない見えないことが多いのである。どうもなにかがタブーになっている匂いを感じる。

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そのシンポジウムの時の写真かどうかは不明だが、以前ネットで引用されて出回っていた弁護団の写真がある。Bengodan

同時期にこの弁護団は似たような弁明の説明会を何度か開いているので、そうした時の写真だろう。安田好弘が同僚の足立修一弁護士をモデルにして検察の絞殺状況の説明を批判している様子。こんな表情で時々笑いながら語っていただろうことが伝わってくるが、この安田の横に居るひげの弁護士、足立修一という人物、どこかで見たことがあるなと思っていた。

某有名なあるブログで、足立修一は広島の弁護士で「九条の会」 のメンバーでもあると書かれ、こんな写真がついていた。

Adatibengosi

これを見て、ああどっかで見たな~と思い記憶をたよりにネットを捜してたどりついたのがこんな画面。

広島共同センターなどが憲法学習会

これを見て結論というか、まあガックリきたわけである。先の日福大の教授の件もそうなのだろう。光市の事件に弁護側から関わる人物相関の中には、共産党員や思想的に党員学者、党員弁護士と日常関わる人たちが多くいるのではないだろうか。この手の事件は極めて微妙な問題だから、どうも党の側が党員活動家でもある弁護士等の関係者に指導方針を出すことは難しいだろう。結果周辺関係者が世間的に共感されない動きをどんどんしてしまい、党側でコントロールできなくなってしまっているとしたら。世間に合わせて党内関係者を批判すれば離反者が出るし、彼らを擁護すれば今度は党が世間から激しくバッシングされる。

そう考えると、赤旗の扱いの小ささ、独自な意見の無さなどなるほどと思えてくる。いろいろ触れてはいけない事情が、共産党にもあるようで....。

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