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2012-03-18

もう「原子力の平和利用」を言える時代じゃない

節電節電と何かとうるさい昨年でした。でも、パチンコ屋はどうみても爛々、あれほどの無駄もないだろー的な、いつものご近所のクリスマス電飾もあいかわらず。ほとんどの原発が止まっている中で、なんだけっこうイケたじゃないかと。なーんて皆さん思いませんでした?

さてイランの核兵器開発が問題になってます。イスラエルの狂気発言まじヤバで恐ろしいです。ガソリンがやたら値上がりしてるの何か関係あるんでしょうか?...はさておき、この手のニュースのたびに、アメリカという国の勝手さが気になります。イランも北朝鮮も核兵器持たないでちょうだい!って思いつつも、「大国の核とテロリストの核は違う」といったよくアメリカが使う論理は、そうだなーとは思いつつ、でも自分は高い高い棚の上に上げておく勝手な理屈とも思える。オバマの時代でもこれなんだからね。

冷戦が終わってもう20数年というのに、「自国と同盟国の核はある程度容認し、そうでない国の核保有にはやたらと神経質」が今もアメリカの基本路線。だって例えばインドの核を米が批判したのって聞いたことないでしょう!?原子力のニュースでよく出てくる現在の「国際原子力機関(IAEA)」は、1953年の国連総会でのアイゼンハワー大統領の演説、"Atoms for peace"がきっかけになって設立されたものと聞きます。「原子力の平和利用」と言うと良さげですが、原子力開発の主導権を握れないと共産圏に負けてしまう冷戦時代、ソ連に先を越されまいと必死になったアメリカの世界戦略の一環でもあった。

科学技術の平和利用と軍事利用が表裏関係にあるのは当然で、だってお金かかりますから。その先端たる原子力開発は産軍官癒着の典型。前に長ったらしいしょうもない読書録を書きましたが、現実に日本の原子力開発のベースには、イギリスやアメリカの関連企業の技術提供がベースにあって、そうした話に出てくる「GE」「ウェスチングハウス」といった米企業は、もともと米の原潜エンジンの開発メーカーだったとか。福島の原発だってベースにあるのは「GE」の原子炉設計ですよね(それにしても何で福島原発では、冷却機を海岸側に設置する設計が許されたのか??)。

以前知ったことです。1954年の第五福竜丸事件。あれはどうも第五福竜丸ばかりクローズアップされますが、実際には周辺海域にもっと多数の日本の漁船が操業していたとか。当時の漁師さんたちには後に数年~数十年たって、若くして癌で死亡した人たちが異常に多かったらしい。その事実はずいぶん隠されてきたそうです。第五福竜丸は悲惨ですが、第五福竜丸だけに日本人の視線を釘付けにしておくことですら、アメリカには都合が良かった。

ビキニ環礁近海での核実験は何度も行われています。当時の米はアジア周辺のかなり広い地域でモニタリング施設まで作り、放射性物質の拡散状況を貿易風の向きなども考慮に入れて記録していました。あれはある種の壮大な人体実験だったとも考えられます。標的の中心に居た被験者はあの近海に居た漁民や島の住民たち。でも私たちだって他人事じゃ無い。放射性物質の拡散状況は相当広かったようです。アメリカが残した記録には、放射性物質が日本列島をすっぽり覆うような時期が図解されている。子供の頃よく雨に放射能が薄くまじっているから濡れるとハゲるなんて言われましたが、まんざら冗談でも無かったかもしれません。

「原発」についての私自身の考えはと言えば、あまり褒められたものじゃありません。原子力についての関心は昔からあったけど、核兵器断固反対に力点を置いていて、原子力の平和利用については絶対反対というほどでは無かったのです。これはきっと次の記事で書くように共産党の影響がかなりあったと思う。それがここ数年、特に去年の福島の事故をきっかけに大きく変わってきました。

原子力発電の技術は軍事目的に転用できるから、後進国の核開発にあれほどアメリカやIAEAは神経質になるわけですよね。でも軍事目的で無かったら安全なのか?何か事故があったら放射性物質の拡散状況がとんでもない事になる、というのは平和利用でも変わりない。福島の事故はそのことをまざまざと私たちに示しました。こんな現実で、平和利用なら良いとか、やがて技術が進歩して安全な原子力が使えるとか言うなら、結局原子力開発派に免罪符を与えて、原発をネタに提携し金儲けしている日本の産官を許していることでしかないでしょう。

原子力の平和利用とはまぎれもなく原発推進の考え方

であって、推進派に協力することで、事故が起きれば周辺何十キロにわたる街に人が住めなくなる危険と背中合わせで人々を生活させていくことをも推進していく、そこらへんは何ら違い無いと思います。

原子力の平和利用の為の研究にお金を使い続けていくことは、その研究がどんな企業や人たちの利益と繋がっているかという関係図と不可分。だから自然エネルギーなどの代替エネルギーの研究に資金が回りにくいことと、裏表の関係にあることを忘れちゃいけないと思います。原子力の平和利用も進めて、自然エネルギーの研究も進めるというわけには、現実世界はなかなかなっていかない。

政府は結局、じわじわとなし崩しに原発を温存させておきたいようですが、3.11を区切りにもうそんな時代は終わったということをはっきり認識しなきゃいけない時代だと思います。

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