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2012-08-16

「日の丸・君が代強制条例」とかいうあれについて

朝TVのニュースを見ていたら、JR天理駅のホームで天理高校の教諭が見知らぬ男性の顔を殴ったとかいう事件が報道されていた。その教諭が生徒指導の担当だというから、思わず飲みかけていたコーヒーを吹き出してしまいました。

Jyourei_hantai

さて今日は、俗に「日の丸・君が代強制条例」とか呼ばれている大阪府の条例の話です。これは昨年6月に大阪府議会が定めた、府立及び府内の市町村立学校の教職員に、入学式や卒業式での国旗掲揚と君が代の起立斉唱を義務化する条例です。あれから1年以上が過ぎましたが、日教組や全教に所属する教職員を中心にこの条例に反対する声は小さくないようです。

一応国旗・国歌というものがあるのだから、日の丸・君が代を尊重せよといったこの手の条例は、あってもちっともおかしくないと思う。ただ、個人的結論を言うと、君が代を歌わなかったから起立しなかったからといって正直罰則とかいらないと思います。そこのバランスを崩すと、条例を定めた側も民主主義から外れていく。だから罰則があっても勧告程度にすべきでしょう。こんな問題で教師を懲戒免職とかするなら、日教組の言うように確かに憲法に反する。ただ問題が複雑なのは、多様な意見を認めないのは行政側だけではないということです。

この問題が起きて約60年、いつまで経っても続きます。

もとを辿れば、第3次吉田内閣で文部大臣だった天野貞祐(あまのていゆう)という人が、公立学校での日の丸・君が代の掲揚斉唱を命じたのが(1950年)ことの始まりだとか。この天野という人、カント学者でもあり獨協大の初代学長だったのですね。日教組系の話ばかり聞いていると、学者出身で戦後初期の保守系政治家、日の丸・君が代の強制と来ると、右翼的な人物を想像してしまいがちですが、どっちかっていうと旧いタイプの保守系リベラリストだったんじゃないでしょうか。軍国主義には反対だけど愛国心を否定する左翼思想にも反対ってタイプ、今の自民党とかにもよく居るじゃないですか。

問題の発端が、保守系リベラリストと左翼系教職員労組との対立という構図で始まっている点、けっこう押さえておくポイントかもしれません。ただ、1950年といえば朝鮮戦争をきっかけに警察予備隊、海上警備隊が創設された「再軍備」の時代。世の中まだ敗戦の空気も残っていたし、天野の提言を、日本を再び戦争の道へと駆り立てる道具として教育の場を利用する反動的思考と猛反対した日教組の批判も、かなりの説得力を持っていたと思います。で、その後、これは私らが子供だったころになるので直接関係あるわけですが、学習指導要領とかで日の丸・君が代を尊重すべきみたいなことが明文化される時代に突入していったと。

でも今はそのころから比べれば、時代状況もすっかり変わり、日の丸・君が代に関する問題の意味や環境がかなり違ってきているように思うんですよね。

私らが小中学生だった60~70年代というと、祝日に各家の軒先に小さな日の丸を掲げていること多かった。学校の式典は必ず日の丸掲揚、君が代斉唱。高校の時など、卒業式に不良がふざけて君が代に手拍子入れるは「あっそっりゃ!」なんて合いの手まで入れるもんだから、教師にどつかれてました。そんな時代だったから、日の丸とか君が代とかにとりたててアレルギーがあるわけでもない。ただ天皇制とかに特に関心もありません。大阪の「たかじん」の番組に出てくる、例えば勝谷誠彦みたいな右翼系の評論家が「わが国には天皇制というりっぱな統治機構がある」などというのを聞くと、今時何の話やねん?と。憤慨すると言うより話が面白くないのでTVのスイッチ切ってしまいます。

でもね、天皇制に関心が無いだけで、これは一部の日教組の教師のように「日の丸・君が代」は軍国主義の象徴と言い切る感覚とは全く違うのですよ。この「日の丸・君が代」=「軍国主義」的な(一部エキセントリックな)意見にも、レイシストに対するのと同じように、今時何の話やねん?と思ってしまう。実際、今の時代に「日の丸・君が代」は戦前の軍国主義に繋がるもの~なんて、なんか時代的ピントがズレてるようで、むしろ言うと恥ずかしい感じがします。

私なんかオリンピックで金メダルとって国旗が上がると気分が高揚するし、亡くなった時は一般国民と同じように火葬でなんて言ってる天皇には、いろいろと深い苦悩や考えがあるのだろうと思う。東北の被災地を、少し遅くなってごめんなさい、でもどうしても行きたかったと言って訪れた天皇皇后はりっぱだと思い、放射能が怖いからといって自分の選挙区すら行かなかった小沢何とかより、はるかに人間らしいと思う。

オリンピックみたいな状況があると「君が代」が荘厳に聞こえ、また時には古くさい雅楽に聞こえたりする。国歌も今後変えてもいいような気もし、例えばすばらしい国歌を持つ南アフリカがときに羨ましく思えたりする。でも「立ちなさい!」って言われて子供みたく暴れて拒否してる教師を見ると、何もそこまでとバカバカしく思えたりします。日の丸とか君が代とか、さほど深刻に考えてないです。そんなもんです....。

自分に愛国心があるかと言われても、あるような無いような。私みたいにどっちつかずで、そんな中途半端な位置から、橋本やりすぎ、でも日教組もどうかと思うねーって思っている人、きっと多いと思います。

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この「日の丸・君が代」問題、先日NHKでも特集してました。例の橋本市長と友人の、英語バリバリ君こと和泉高校の中原徹校長が、わりと長時間の取材を受けたらしき放映で、我が息子の高校でもありつい見入ってしまいました。卒業式で君が代を歌っているかどうか、校長が教員の口元チェックをしたという以前のニュースを聞いたときは、正直そらやりすぎやろ!と思っていましたが、口元チェックは「日の丸・君が代強制条例」制定後の教育委員会からの指示でもあり、中原校長の独断的な判断から行ったような根の浅いものでは無いことも、番組を見ていて分かってきました。

中原校長はこの「口元チェック」問題でいろいろ批判もされた経緯から、今年の入学式ではチェックをしたくないと教育委員会に申し入れた。ところが、府からの指導もあり形を変えるにしてもチェック的なことは続けてほしいとか、起立せず斉唱しなかった教員の名前も報告せよと教委が言う。これじゃ、むしろ校長等の指導的立場の現場の人間が上の推進派と下の反対派に挟まれている構図。中原校長にすれば、しかたないから教委の方針には従って下さいと現場教師に通達し、思想的な中身の問題は「特別授業」で各先生が生徒に戦争のこととかを考えさせていこうとなったとか。その際もあくまで民主的な意見を交わす授業なのだから、特定な思想に偏らないよう多様な資料を揃えて、かつ生徒に教師側の特定の意見を押し付けないよう配慮して行おうということで、とりあえず落ち着いたとか。中原校長の結論は普通に支持できるものに聞こえました。

番組には当然日教組系で「日の丸・君が代強制条例」に反対している教師も出てきました。君が代斉唱に一貫して起立拒否してきたある女性教員と母親。その教員は、自分がこういうことに反対するようになったのは、軍国少女だった母親の体験を子供の頃から聞かされて、ほんとに戦時中の思想統制は恐ろしいと思うようになったからだと言う。これに対して面白かったのは、当の母親が「だからといって退職金が貰えなくなるかもしれない立場になってまで、あんた日の丸・君が代反対て言わなくてもいいじゃないの」と笑いながら言ったこと。

この女性教員もまた、自分も反省点がある、それは反対反対ばかり言って肝心の子供たちに戦争の恐ろしさを教えてこなかったこと、これからそうしたことを授業などでやっていきたい、と語っていました。そこは中原校長と近い結論になったように一見見えます。

しかし私にはこの教員の考えには疑問が残ります。なぜならこの教師の言ってる「教えたいこと」の中身は、「日の丸・君が代」がいかに軍国主義教育に利用されてきたかということだからです。これでは「日の丸・君が代」問題をシンボルの問題として考えさせるに過ぎない。象徴というものは時代や環境によって意味が変わります。「日の丸・君が代」と軍国主義とのつながりを子供たちに教えたところで、今は「日の丸・君が代」が怖い時代では無いので、子供たちの大半は、昔は嫌な時代だったんだ、それに比べて今はいいよなと思うんじゃないでしょうか。その程度の認識を教えることが、戦争についての教育になるでしょうか?

よく左翼系教師は「日の丸」は戦争で血塗られた旗だというが、どこの国の歴史を考えても血塗られていない国旗なんてあるだろうか?子供に教える歴史の教訓って、もっとリアルで事実を掘り下げたものでないといけないんじゃないか。普通の人々が戦争に加担していったことが「日の丸・君が代」の象徴するものだけで考え切れることは無いと思うんです。むしろこの女性教員の母親のほうが、自分の体験を「日の丸・君が代」問題だけに狭めていないから、先ほどのような現実的な娘への意見がポロっと出るのでしょう。

Kokki_2

日本がなぜ戦争に向かったのか、そこには経済的な問題を中心として、政治的文化的な様々な要因がある。やや強引な喩えだが、その点で対外強行姿勢をとって軍備拡張している今の中国と、戦前の日本は似た面がある。はたして他国を侵略してまで経済的に拡大することが必要なのか、仮にそうせざるを得ないところまで国家が追い込まれたらどうやって戦争を避けられるのか。そうした議論を、ブータンの話じゃないですけど「幸福とは何か」って次元まで深めて、子供たちに考えさせてしまうような授業を学校教師はしてほしいです。そうなると単に多様な意見を盛り込んで、思想的に偏らない授業であれば良いという問題ではなかろうと。子供に結論押し付けちゃうのはいけないだろうけど、教育なんてどこかで方向性が無いとダメなんだと思うんです。

共産党員だった頃ですら「日の丸・君が代」にさほどの拒否感も無かった私ですが、共産党の人たちはもちろん、旧社会党系の日教組の人たちも昔からどうも、管理というものに頭から反対し、議論しようとすらしないところがあるのを感じています。この「日の丸・君が代」問題に限らず、教員免許の問題でも、あんな制度は校長の考えばかり気使うYESマン教師を作るだけだとか、さらには「戦前の管理主義教育に通じるもの」だから猛反対とまで言われたら、また何の話かと? でも一般の人たちは別に安倍晋三のような保守系教育論に賛成しているわけじゃないし、そんなものに興味無い人が多いでしょう。むしろ一般企業に勤めている人たちの感覚からすれば、5年とか10年とかに1回の資格審査ですら拒否する感覚は異様ではないですか。(いや今日も変な生徒指導の先生が人を殴ったしw)

必ずしも世論が正しいわけじゃないけれど、その世論の空気すら無視して、どうにも完全同意できないような反対意見を、感情込めて、さも当然の正しい意見でしょう! と押し付けてくる感覚は、そらあんたら支持されなくもなるよなと思います。「日の丸・君が代」問題って、そうした左翼論者の硬直性が最も尖鋭的に出ている問題でもあるのでしょう。

自民党が永遠に続くように思えたかつての時代は終わりました。保守系にもたまに居るトンデモな人は消えてもらえばいいです。でも普通の政治家とかは、保守系でもしばしば市民の意見に気を使い、反対論者と詰め寄ろうとする今の時代。反対の声をあげつづけることはかならずしも議論に繋がらない。良くないのは、右でも左でも互いのロジックに問題を押し込めてしまって、議論しようともせず接点を持とうともせず、多様な意見に身を置いて考えようとしない思考停止で硬直した姿勢。

民主主義の反対物は全体主義に思え、全体主義は右でも左でも突き進めればどちらでも発生しますよね。

天野貞祐が文部大臣やってた時代と今とはずいぶん違う。長い間「日の丸・君が代」問題に反発してきた日教組や共産党系の教師は、実はずーっとおんなじ論点で反対し続けた結果、彼らが一番守れと言ってきた民主主義を壊してはいないか。いつも同じ対立点で、やたらと感情的なものを持ち込み、事柄をイデオロギー闘争に狭め、肝心の教育とか子供たちをある意味忘れていないでしょうか。

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コメント

「君が代」に閉じると奇異に思われるかもしれませんが、広く「業務命令違反」ととらえると、特に問題なく感じられるのではないでしょうか?

学習指導要綱に「算数で掛け算を教える」とあり、「教師は児童、生徒に掛け算を教えよ」という業務命令が出ているのに、教師個人が「私は掛け算に違和感を覚える。教えない」と主張し、実際に授業を行わない。
こういう教師が多数いた場合、授業で教えているかどうか監督、監査も必要になってきますし、それでも教えない教師を免職にするというのもアリでしょう。

ところで、「日の丸は戦争が~」と主張される教師のいらっしゃる学校って、制服はどうなっているんでしょうかね?
詰襟、セーラー服ともに学生服は日本陸軍士官、日本海軍兵の軍服が元デザインなんですけどね。

>「存立事態」明記の法改正検討 集団的自衛権行使向け:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASH195TZ4H19UTFK00J.html

>安保関連法案、「イスラム国」に適用困難との認識 首相:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASH225HT2H22UTFK00G.html

白虹日ヲ貫ケリ~♪(プゲラ)(#`▽´)y-゚゚゚ ウケケケケケ
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
お~い! アベちゃ~ん♪ ( ̄▽ ̄)ノシ

日本国にとって大事なのは、天皇家の血筋なんかぢゃないぞお~♪ (*´m`)=3

日本国にとって大事なのは、国民の保護だぞお~♪ ( ̄▽ ̄)b

国体の護持(プゲラ)なんかの訳が無いぢゃん♪ ┐('~`;)┌

あっ! そ~だ♪ ヽ(´ー`)ノAHA
天皇制が無くなったら、国体護持も必要無くなるんぢゃないかニャ?(ニッコリ)m(ΦωΦ)/ > 安倍晋三ちゃん♪

m9(゚∀゚)Идиот!> номенклату́ра
נומנקלטורה עמלק
Ceterum autem censeo, Nomenklaturam esse delendam.

白虹日を貫く
^^^^^^^^^^^^
沖縄の皆様
二度と再び国体護持のための捨石にされない為に、
以下の二枚のカードを利用されてはいかがでしょうか?
□基地カード
□独立カード

□基地カード
憲法改正により、日本国憲法から天皇に関する条文を全て削除する。
これを、普天間基地の辺野古への移設受け入れの条件にする。
ということが考えられます。

□独立カード
国体護持の為の捨石にされるくらいなら、
むしろ日本国から独立する。

独立を実現するにあたって、参考となるのがスコットランドです。
マッサンで知名度が上がったスコットランドは、昨年2014年、独立の賛否を問う住民投票を行いました。
沖縄も、住民投票により、日本国からの独立を図られてはいかがでしょうか?

ただし、独立の際に、以下の条件を残留の為の条件にする案も考えられます。
憲法改正により、日本国憲法から天皇に関する条文を全て削除する。

国体護持のために沖縄の皆様が犠牲になった
沖縄戦の悲劇を繰り返さない為に、
天皇制を廃止しましょう

そして、沖縄の皆様
天皇制を廃止するために
一緒に戦いましょう

m9(゚∀゚)Идиот!> номенклату́ра
נומנקלטורה עמלק
Ceterum autem censeo, Nomenklaturam esse delendam.

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