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2014-09-07

「慰安婦」問題1- 朝日新聞のこととか

先月8月5日と6日、朝日新聞が「慰安婦問題」についての検証記事を載せました。うちはここ数カ月、嫁の洗剤確保戦略wでたまたま朝日をとっていたのでリアルタイムで読めました。

世間の批判は主として「謝罪が無いじゃないか!」というものでしたが、私個人は、本家の朝日が、吉田清治の「私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行」(1983年)の虚偽を認めたことの影響はそれなりに大きいだろうと思っていました。確かに30年ほど前からすでに疑問が持たれていた大嘘本を、いまごろ「虚偽だと判断し、記事を取り消します」などと書く朝日の感覚は、批判されて当然でしょう。ただ朝日は、韓国でもまだ問題になっていなかった頃に、世界に先駆けて「慰安婦問題」の記事を書いてしまったのですから、まさにこの問題の本家本元です。そして吉田の嘘本は、国連の人権委員会の(あの舌噛みそなw)「クマラスワミ報告書」や、韓国の裁判所の判決などなど様々なところで引用され利用されてきた根幹資料でしたから。

ところがその朝日新聞、8月28日の「慰安婦問題 核心は変わらず」という記事で「河野談話、吉田証言に依拠せず」などと書いて、吉田の嘘本の虚偽を認めたところでさして影響は無いかのようなことを書いてみたり、最近はこの朝日の姿勢を「遅きに失した」と書いた池上彰氏の連載記事を一旦掲載拒否したあげく、世間の批判を浴びてまた謝罪し掲載するなど、なんともかっこの悪い話が続いています。さすがに微々たる評価ぐらいはしようと思っていた気が萎えました。朝日はこの問題で謝罪の気持ちは全く無い、そう捉えていいと思えるし、「朝日は一面に謝罪文を載せよ!」「英語版アサヒでも同様の訂正と謝罪記事を載せよ!」といった批判は全く正しいと思う(なんかその後中途半端な英語版の記事が出たとかいう話もw)。

なぜなら実際これは今現在も続いている問題ですから。ついこの前の8月29日、国連の人種差別撤廃委員会はレイシストらのヘイトスピーチ問題に懸念を表明するとした勧告書の中で、慰安婦問題についても人権侵害を調査し責任者の責任を追及すべきだと書いていました。こうしたことはテレビのニュースではほんの短く触れるのみで、関心の薄い人たちにはよく分からない話にされてしまってはいないでしょうか。例えば日曜朝の毎日放送系の報道番組「サンデーモーニング」では、このヘイトスピーチ問題での国連の(しごく真っ当な)報告には触れたのに、同じ文面にあるはずの「慰安婦問題」についての勧告のことは完全にスルーしていました。朝日新聞が世界に、日本の国益を損なうウソの歴史を広めた問題に一部のマスコミは突っ込むことすらしない。正直池上彰さんのほうがえらいですわ。

この問題に比べたらどこかのレストランの食材表示が偽装でしたなんて小さい話でしょう。でも小さい話でもそこのオーナーは記者会見して謝罪する。同じ食品偽装と言っても長年腐った肉売ってたのは小さな問題じゃないですし、あの中国の工場は謝罪してませんけど、少なくとも中国政府は取り締まろうとしました。もっと食品偽装に例えれば、ある有名レストランの食材表示がウソだったと新聞が書いたとして、そのレストランや企業が倒産したとする。後日その新聞の記事は間違っていました、偽装ではありませんでしたとなったら、その新聞社は謝罪の記者会見どころですまないでしょう。でもこの「慰安婦問題」の場合、例え話のほうが規模小さい。レストランや企業でなく長年日本の国益を損ねているわけです。「日本軍の従軍慰安婦=性奴隷」説は、いまや国連の人権左派にナチのホロコーストと同列の問題として扱われている。信じられないことにアメリカの保守系共和党の議員にすら問題にされてきた。幸い最近になって、この「従軍慰安婦=性奴隷」説は捉え方がおかしいのではないかといった疑問がアメリカの一部のマスコミから出てきたのが救いですが。

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吉田清治の証言には、韓国人女工を木刀で脅して連れ去ったとされる済州島の貝ボタン工場というのが出てきます。これを実際に現地取材した最近の報道番組がありました(フジTVの「新報道2001」)。現地の70歳〜80歳台の老人たちに聞くと、確かに貝ボタン工場は戦前からあったが、貝からボタンを作るのは大変な力仕事で昔から男の仕事だったとのこと。海女をやっていた高齢の女性たちも、当時子供だったが若い女性が連れ去られたなんて話は無かったと言う。そもそも現地の人が否定する吉田本に笑えてきます。吉田清治の書いた済州島での「慰安婦狩り」は、80年代末から90年代すでに現地の済州新聞の許栄善という記者の取材によって否定されており、やはり済州島を現地調査した日本の秦郁彦氏によってこの済州新聞の記事が紹介されてもいる。また済州島の郷土史家からも吉田本は否定されている。少数派とは言え韓国現地の専門家たちから吉田本は事実無根認定なのです。

吉田本が出た当時から、実際の日本軍体験者の方たちが吉田証言に疑問を投げかけていたそうです。山口県労務報告会下関支部の動員部長だったという吉田が、軍による命令で慰安婦狩りをしたと書いているその命令系統が、当時の軍ではありえないと言われていました。こうしたことは私はその時々に雑誌などで知ったことですが、最近またこの話題が出てくる中で実際の吉田本の文章を読みなおす機会もありました。すると済州島の調査がどうとか言う前にそもそも文章の辻褄が合わないのに気がつく。吉田のこの「慰安婦狩り」では、最初軍隊を引き連れて行ったはずなのに、途中で現地の警察に女性を連行させた話に変わっている。現地の警察って当時は韓国人の警察ですよね。韓国人が「慰安婦狩り」を手伝ったのでしょうか?

「証言」本が出てから吉田清治にはいろんな人が接触を試みたらしいです。当時一緒に「慰安婦狩り」を手伝った部下の生き残りを紹介せよと言われて吉田は拒否したとか、取材から逃げまわったとか、とうとう最後には吉田本人があの本はフィクションでしたと認めたとかいう話です。朝日が80年台初頭から吉田証言を何度も紹介し、元慰安婦というおばあさんを取材した世界で最初の記事を載せたのが91年。済州島の人はもちろん書いた本人までウソ本と認めた「証言」を、朝日は30年以上たってようやく虚偽認定したということです。

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この「慰安婦」問題って、私らの子供の頃は聞いたこともありませんでした。吉田本から始まって約30年といってもそれほど古くから話題にされていた話ではないと思います。なんで戦争終わって40年ほどたって急に始まったのか?そこがまず奇妙です。

「慰安婦」にされた韓国人の数は、書かれる文によって巾があるようですが、少なくて5万人、韓国の新聞なんかが反日丸出しで書き立てるときは10万とか20万人といった数字が出てきます。職場の人たちとこの話をしていたら、皆素朴にこう言いました。セウォル号の沈没事故ではあれだけ岸壁で家族が泣き叫び官僚を吊るし上げる韓国の人たちなのに、では当事者の韓国人の中で「慰安婦」問題について80年以前はなぜ訴えも無かったのでしょうか?...などと考えていたら同じこと思う人がこんな記事を書いていました。

「従軍慰安婦問題ではなぜ“被害者家族の抗議”がないのか? - 山田高明」

20万人もの、嫁や姉や妹や親戚や恋人が連れ去られていった歴史が事実だとしたら、そこに居た男たちが証人として出てこないなんて実に奇妙な話です。
朝日新聞は「検証」記事なるものを載せてから、改めて吉田清治の証言が虚偽だとしても実際の韓国人の「慰安婦」だった方たちの証言が数多くあり、「慰安婦問題」の本質は変わらない、朝日がこの人権問題を報道してきたことには大きな意味があったと書いています。朝日と同調する日本の共産党議員や金慶珠などの韓国系の一部評論家の意見もここは同じで、吉田本は偽証と認めるが大勢に影響は無いという考え方のようです。しかし実際には、日本軍が「慰安婦」とするために韓国で女性を強制的に連れ去ったとする証言はこの吉田証言しか無く、あとは(中にはもともと自分は売春業だったと自分から正直に告白している人も居る)ハルモニしか居ないのです。

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昨年、橋下徹大阪市長が従軍慰安婦の必要性を容認する発言をして、国内の批判はもちろん、韓国での反日行動に火をつけてしまいました。私は、あれは橋本市長が政治家としての自分の立場を考えずに発言したことと、倫理的に容認しているかのように受け取られかねない表現をしたことが問題であって、例えばあれを学者が歴史上の(倫理的には容認できないが)事実であるとして何かに書いたなら問題にならないと思います。

軍隊に慰安婦が居たことは人類史的に古くからある話で、フランスやイギリスの軍隊は植民地の駐留地に専属の慰安所を持っていたとか移動式の慰安所を連れて遠征したといった話を読んだことがあります。第一次、第二次大戦頃からの各国の軍隊は、管理されたそうした施設を持つこともあったとか。韓国は日本軍の韓国人慰安婦のことばかり言ってきたけれど、今年6月には韓国で駐留米軍を相手に作られた売春街「基地村」で働かされた122人の元米軍慰安婦が「韓国政府は米兵相手の慰安婦制度を作り、自分たちを徹底的に管理し、苛酷な売春をさせた」として国を相手取り、1人1000万ウォン(約100万円)の賠償訴訟を起こしました。朝鮮戦争でもベトナム戦でも米兵や韓国の軍人相手の韓国人慰安婦は居たそうですし、アメリカで韓国系住民が開いた反日慰安婦問題集会に招かれた元慰安婦のおばあさんが、自分は朝鮮戦争のときの慰安婦だったとうっかり口を滑らせてしまったといった話もあります。

太平洋戦争の時に「慰安婦」とされた女性たちが居たことは、日本の保守系の議員ですらほとんどの人は否定していない。それを人権問題として考えることにも異はない。でもそれを少なくともナチのホロコーストと同列の問題とするのは奇妙すぎる。そう見なして騒ぎ立てる人たちは、日本を貶めることで利を得る何らかの政治的意図を持っているとしか考えられない。「日本軍慰安婦問題」が「20世紀最大の人身売買」であると決めつけた米下院慰安婦決議で有名な例のマイク・ホンダは、中国系「世界抗日戦争史実維護連合会」(抗日連合会)から多額の資金援助をしてもらっていたそうだ。

2に続く.....(今回は久しぶりに長い...頭にきてるからw)

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