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2014-12-21

「浮動票....」 衆院選2014雑感(2)

普段よく話しをする近所の人で、今回の衆議院選で共産党に入れた人が居た。もちろん共産党員でもなく前からの支持者でもない。前回の選挙では公明党、その前は自民党に入れたと本人が言っていた。典型的な浮動票。もはや政党中心の政治の時代は終わったなどと言われる中で、世の中にはこういう人たちがけっこうたくさん居るということを考えないといけないと思う。

今回共産党は公示前8議席から倍増以上の21議席に伸ばした。近年では画期的です。これで社会主義思想が支持されたと考えるアホはさすがの共産党にも居ないとおもうけどw

今回の共産党の躍進は、明らかに他の野党の連携が全く進まない状況での、”自民批判の受け皿が他に無かったから”という大方の批評に尽きると思います。それ以上の意味は無いと考えて間違いない。

過去の衆議院選挙では1979年(昭和54年)の第35回総選挙で39議席、追加公認+2 を含めて41議席とったのが、共産党躍進の過去最高でした。あの時私はちょうど共産党の根城たる(笑)日本福祉大学に入学したばかりで、教官棟の建物に「共産党大躍進!」のでかい垂れ幕がはためいていたのをよく覚えています。意味わかります?学生党組織はもちろんですが、教官棟、つまり教授や大学職員が働くビルに歓呼の垂れ幕があったのです。共産支持層が多数を占める赤い日福大では、大学の共産党支持者をあげて希望に満ちていた時代でした。当時私はまだ党員ではありませんでしたが、すでに党活動をしていたうちの嫁が、今回の選挙であの頃を思い出して言うのです。「あの時本当に歴史が変わるんじゃないかとおもったのよね。でもそのすぐ後の選挙でかなりへこんじゃった。あの頃はマジな反共攻撃とかされたから....」

選挙権を得て30年以上、棄権をしたことはほとんど無かったと思いますが、今までの選挙をつらつら思い出すと、共産党がのびた時代ってたいてい自民党が強かった時代だと思えます。つまり共産党は常に反自民の受け皿としての存在感が共産党に感じられた時にしか、議席をのばせていないのです。典型的な例が前の民主党政権が誕生した際、共産は議席をのばせなかった。いまや反共攻撃もさして無い時代ですが、そういう意味では今回の躍進も野党再編が進み、維新や民主党がこれからどうなっていくかによってはまた共産沈没につながる程度の話でしょう。

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かつては支持どころか党員でしたが、今の共産党が議席何人だろうが赤旗や党員数がいくら減ろうが、個人的にさほど関心ありません。私の中では、20代から共産党とマルクス主義に少しずつ疑問を持ち始めて、古典や関連文献も学生時代以上に(あくまで自分なりにですが)読み、他の方の意見も聞きながら考えた結果、共産党は支持できないという明確な結論が出てしまっています。共産党のマルクス主義が、マルクス主義の全てではなく、むしろごく一部。世界的に既存政党としてのマルクス主義解釈ほど、むしろ俗流であることが多く、日本共産党の「科学的社会主義」も同じ部類です。私は、ルカーチが言うように「自然の弁証法」は間違っていると思うし、その点でも不破哲三のエンゲルス話など、アホらしくて聞いてられない。また、佐藤優がどこかで言っていたように、資本論を読めば読むほど共産党が支持できなくなってきます。しかし理論的な話は、どちらかといえば絶滅危惧種に属する話。一般の、例えば今回共産党に投票した浮動票の人たちにとって、科学的社会主義がどうとか、民主集中制がどうとかいうのは、どーーーーでもいい話。

多くの人にとって、共産党というのは「何でも反対する党」程度のものでしょう。そして、共産党についてそれ以上の情報が欲しいとも別に思っていないでしょう。景気がいい方向に向かってる時は、「何でも反対する党」だから票を入れない。反対に景気が悪いときは「何でも反対する党」だから票を入れる。共産党には、それ以上の関心が持たれていないと思う。

たしかに、ものごとの「流行」というのは、かつて流行ったものが忘れられたころにリバイバルしたりする。昔にくらべて共産党の本当の姿について知らない人が増えてきたから、選挙で若干の支持が広がったとも言える。時代は変わりました。かつて存在した共産圏も、でかいのは中国だけ。昔はテレビのニュースに、東西ドイツの国境で東側から必死で逃げる人々の実際の映像が流れたりして、社会主義国とはどんなところか、では日本の共産党はどう違うのかといった話にも、一定の意味がありました。しかし今は、昔の共産党を知らない若者に「共産党はほんとうはこんな理論やウラ歴史があるんだ。だからよく考えたほうがいいよ」的な話をしたところで、そもそも関心自体が人々に無い。共産党話に需要が無い。

以前の選挙で共産党の若い女性議員で誰だったか、きっと吉良よし子あたりだったと思うけど、インタビューで「せっかく共産党の国会議員になったので『共産党宣言』を読んでみます」と言ったのが居たそうで、かなりズッコケました。今の共産党の中央にさしたる理論派は居ません。ネットを活用した党のアピールに活路を見出したり、あるいはロックバンドでコラボしたり、たしかに党のイメージは変わってきています。ただ、党の方針としてネットを活用しろと言い、我が党は選挙戦でのネットの活用でダントツだと自慢しているのに、党自身がウラで、ネット上での党員個人の勝手な党の方向にそぐわない発言は規律違反だという通達を出しているのは知られているでしょうか。党のイメージ転換や若者層の取り込みを狙った戦略から生まれる柔軟路線は、本来の共産党と矛盾するものになるはずです。ネットの特徴であるインタラクティブ(双方向性)というものは、共産党の組織原則である民主集中制とは全く相容れない概念。なのにその方向へいかなければ若者が取り込めない現実がある。そこが面白いと言えば面白い。

私は以前から、共産党を「死滅」させるものがあるとすれば、人々の無関心とインターネットだろうと思っています。浮動票の底流には、ある種の逆らえない大衆的な無関心が流れている。その無関心は一定の知的なものではないでしょうか。日本共産党は数年後には消滅すると言う人たちが居るけれど、そう単純にはならないと思う。むしろ存続しつつ内部から変質し、ある意味溶けていくのではないか。赤旗を読みも取りもしない党員が増え、ネットで勝手な党批判をする党員が現れ、党名は「日本共産党」のママなのに別物へと溶けていく。ちょうど今の全学連が消滅しつつあり、大学生のコミュニティーがFacebookの中に住まうようになりつつあるように....。

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今回の選挙、私は、何となく共産党に久しぶりに入れてもいいかなと思っていた時期がありましたがやめました。理由のひとつは、東京の夢の島で行われた「赤旗まつり」で、安倍首相の顔写真にヒトラーのひげをつけたものをドラムに貼りつけて叩いて喜ぶなどといった、何とも低次元なイベントをやったことでした。こんなことで共産党員は右翼のヘイトスピーチを批判する資格があるのかよ!といったネットの批判に同感です。はじめはこの出来事を不快に感じつつ、一部のイベント企画者の行き過ぎによるものかとも考えましたが、どうもそうではなかった。不破哲三が、京都に6年ぶりだかなんだかで応援演説に来て、やはり「安倍政権はネオナチです」的な発言をした。これを知って、ああ党をあげて上から下まで低劣な批判をしているんだとわかりました。菅直人も似たようなことを言ったそうですが、民主党が組織全体で首相をネオナチ呼ばわりしたわけではありません。

そして今回、地元の大阪はJR森ノ宮でちょっとした事件がありました。共産党の清水忠史候補陣営が演説中に、選挙カーの目前で女性が血を流して倒れ、通りがかった方が助けて救急車を呼ぼうとしたのに演説を止めず、倒れた女性に選挙スタッフが気づきもせず、結果救急車を呼ぶための携帯電話の通話を邪魔してしまったそうです。場所的には私も通勤で毎日通るところで、2時間ほど遅れて通っていたらその場に出くわした場所でした。日本共産党の大阪府委員会は、この12/6日の演説中における選挙カーの対応を公式ホームページで謝罪しましたが、その謝罪の内容は、その場にいて女性を助けた方からみれば、共産党に都合のよい謝罪になっていたようです。一部の党員が、この出来事が反共攻撃のヤラセであるかのようにネットで書いていましたが、実際そうではなかったとか。党の謝罪文では、単に救急車を呼ぶのに演説の音声が妨害して申し訳なかった的な感じに読めるが、実際は間近で女性が倒れていたのに選挙スタッフは気づく様子もなかった。しかもそれだけでなく、演説で携帯の音声が聞き取れないと猛抗議した方がようやく救急車を呼べた後、選挙スタッフが「もう終わりましたか〜」と事務的な確認に来たとか。どう聞いても「いいからさっさと救急車呼んでよ。終わったら演説続けるからさ!」的に読めます。

この冷淡な共産党の行動について聞いたうちの嫁、かつては女の子なのに風呂に入る時間も認めてもらえず、ただただ赤旗拡大に奔走させられていたうちの嫁が言いました。

「『もう終わりましたか〜』って言葉に全て表れてるわ。自分らで助けもしなけりゃ、救急車が来たらさっさといってしまったんでしょ。専従とか党の力が強い民医連の病院や福祉施設で、党員の職員が過労死しても、美しい殉職程度にしか考えてないんだもの。人の健康や命よりも、上から与えられた司令やノルマが優先する党なのよね。結局もともとそういう党なのよ。」

嫁も今回は共産党に久しぶりに入れてみようと一時思っていたそうですが、結局入れなかったようです。

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コメント

お久しぶりです。
うちは「維新」野党統一候補だったんで…(「おおさか」でなく今の民進党です。)
秘書から「小選挙区で落ちた場合、比例で当選者がいないと復活できないんです。」と言われて「維新」に入れました。
民進党になった今「比例は共産」でいいのか…

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