« 左派的な一種のポピュリズムとしての「排除主義」 --- 「排除します」の件(1) | トップページ | 都知事選にもあった共産党的排除 --- 「排除します」の件(3) »

2017-10-15

昔から伝統的にあった共産党的排除 --- 「排除します」の件(2)

(1)に比べると相当古い話になるが、この百田氏の講演中止事件を聞いて、かつて日高六郎氏が「日本共産党への手紙」の中で書いていた話を思い出した。

日本共産党は、1965年の「8.15記念国民集会」で実行委員会だった日高氏らに対し、実行委員会のメンバーから作家の野間宏氏をはずすよう要求した。日高氏は吉野源三朗氏らと相談して野間氏排除要求を拒絶した。日高六郎氏とか吉野源三朗氏とかは、百田尚樹氏らから見ればおそらく唾棄すべき自称「護憲リベラル派」系の学者に入るのだろう。しかし出会った事象は、百田氏の講演中止事件と似ている。つまり左翼は相当昔から伝統的に「排他的」であったということだ。

本来自立すべき民間の大衆運動団体に対して、特定の政党、特に共産党が圧力をかけて自分たちの気に入らない、要は自分たちに批判的な人物を排除させる。これは昔からよくあった出来事だ。

この場合、排除する側もたいてい手が込んでいて、表向き共産党が指示しているとは言わない。「多くの人たちが『あのひとが嫌だ』と言っている」からと、当該組織に「あのひと」を排除してくれと要求する。しかし実態は、大衆団体の構成員のように見せかけて彼らは共産党員だったりする。もちろん党組織からの指示をうけてやっているが、何も知らない一般の人たちはそんな裏まで考えないだろう。

その一番有名な例が、かつて原水協代表権問題で、吉田嘉清代表理事を日本共産党が批判して辞めさせようとした時のことだ。

ある大衆団体を共産党が自分たちの管理下に置きたいと考える。しかしそこには共産党支持ではない外部団体の構成メンバー、原水協問題の場合はかつての総評系とか共産党の傘下にない労働組合なども入っている。そこで、党の方針にそぐわない方向にその大衆団体が傾いたりして、一定の期間それが続くと、最初は赤旗等で批判していただけの共産党が裏で動き出す。原水協の例で言えば、ある日の理事会などに突然自分たちも発言権があると主張する一群の人々が現れる。吉田嘉清代表理事自身も実は共産党員であったが、代表理事のくせに団体のコントロールができていないと党から見限られていた。だから突然理事会に現れた人たちのことは、吉田理事も驚くような知らない人々だったりする。「我々にも発言権があるぞ!」とばかり、土足で乗り込むわけだ。

そしていつのまにかギャーギャーとうるさく現状の理事たちを批判し始めた彼らが、いつのまにか理事会自体を牛耳ってしまい、旧理事を追い出し、大衆団体全体を自分たちの意のもとに置くようになる。彼らの主張はたいてい「組織が民主主義的に運営されていない!」「一部の人たちの正当な意見が封殺されている!」といったたぐいのものだ。しかし裏の実態は、彼ら突然現れた人々は共産党員でもあり、党中央(特に原水協の問題の場合は宮本顕治)の指示を受けて動いている。

« 左派的な一種のポピュリズムとしての「排除主義」 --- 「排除します」の件(1) | トップページ | 都知事選にもあった共産党的排除 --- 「排除します」の件(3) »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/120253/65921925

この記事へのトラックバック一覧です: 昔から伝統的にあった共産党的排除 --- 「排除します」の件(2):

« 左派的な一種のポピュリズムとしての「排除主義」 --- 「排除します」の件(1) | トップページ | 都知事選にもあった共産党的排除 --- 「排除します」の件(3) »

aBowman

別荘はこちら

  • Marbles2
    音楽、美術、映画、本など趣味的なページはここに移転しました。考えるのが面倒だったので、タイトルは単に2です。
2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

mail

  • 82pkdick@gmail.com

最近のトラックバック

無料ブログはココログ