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2017-10-22

金融緩和は単なる金持ち向けの優遇政策か?

金融政策は単なる金持ち向けの優遇政策ではなく、雇用政策にも連動した影響を与えるからこそ運用すべきである......というのは、経済学的には基本的な認識だそうだ。 確かに庶民の生活に影響するには時間がかかる。だから野党の言うように「アベノミクスで生活が良くなりましたか!」と問われれば、なんか実感ないよねって話になる。

それに、消費増税のようなフェイントが入ると、景気全体としてはマイナスの影響も出る。 しかし3年、5年、10年といった長期のスパンで見た時、徐々に景気浮揚への効果が現れると言われている。もちろん金融緩和のやり方や規模にもよるのだろうが。 そういう意味ではアベノミクスはトリクルダウン理論では無いだろう。

今回の衆院選での各党の話を聞いていても、例えば枝野幸雄などが言っていることは、具体的な経済政策こそ明示しないが、中身は格差是正のためにはまず消費者が安心して消費できるような施策が必要だということだ。そこで言っているのは直接的な賃金補助や減税等であろう。

こうした左翼政党の政策は、失敗した民主党政権時代と同じ、庶民への直接的バラマキ政策と変わらない。まあ政党名だけ「立憲」と付け足しても、中でやってる人たちは同じなんだから、政策のポリシーが変わらないのは当たり前である。しかしバラマキ的な経済政策に、長期的計画的な要素はない。この点は希望の党も同じだ。

金融政策や法人税の優遇策が徐々に景気にテコ入れしていくと、まず失業率の低下や有効求人倍率の上昇が出始める。長いデフレで景気が完全な回復基調にない局面では、企業が活動を高めようとする際、まず安い労働力で賄おうとするのは資本主義の道理だと思う。これは善悪の問題ではない。

まずパートなどの非正規雇用から増加し、それが過ぎて非正規雇用の増加だけでは回らないとなると初めて正社員が増加する。失業率が低下して有効求人倍率が1を超え始めるということは、まだまだ完全ではないにしろ完全雇用に近づいていることを数字が示している。賃金が上がり始めるのはその次からである。

有効求人倍率が1.5を超えた今の段階は、次のその変化の入口に差し掛かったことを表している。

完全雇用に近づかないとなかなか賃金が上がらないという仕組みは、共産党がお得意のマルクス主義経済学でも「相対的過剰人口」とか「産業予備軍」という概念で馴染みの資本主義の基本的システムである。資本主義を使いこなしていくしかない今の時代で、それが良いとか悪いとか言っても仕方なく、まずこのシステム内で有効な政策を考えていかなければならないだろう。

「安倍政権を倒せと野党がしきりに言うが、倒したその後に何をするのか何も見えない」と自民党が野党批判をしている。実際具体的な経済政策を、いわゆる「リベラル」とか「護憲」とか言っている勢力は打ち出せていない。この衆院選を通じても野党からそうした政策はほとんど聞こえなかった。いやそんなことはない、ちゃんと公約にあると思うなら、そこに書かれている程度のキャッチフレーズでしかないものを経済政策だと思い込んでいる政治家たちの勘違いである。希望の党が言っているような「ベーシックインカム」などは、日本的なシステムに合ったものをほんとに実現できればいいだろうが、3年4年やそこらでできる話では無いし、「ベーシックインカム」の導入!と言うだけでは、経済政策とは言えないだろう。

昨日の秋葉原で世耕経産相の演説を聞いていて強く思ったが、政治家が自分たちの実績を「いろいろ迷いや失敗もあったが、こんな具体的な成果を上げているんだ」と主張できているのは自民公明の与党だけである。実績を言うためにはもちろん政権を担った経験が前提になるが、経験のあるはずの元民主党の政治家たちは、何一つ自分たちの成果を語れず、共産党と同じような与党批判ばかりすれば有権者受けすると思っているかのようだ。

私は別に自民党の熱烈な支持者でもないし、「安倍一強」でなくても全然OKだが、「自公政権を終わらせるのか続けるのかを選ぶ選挙だ!」と野党が位置づけているのだから、じゃあ続けてもらおうと考えるしかなくなるのである。安倍政権への若者の支持率が高いことも、似たような感覚だろう。

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コメント

「アエラ」だったかな、「人生は2000万円の負債」とありました。
各国の中央銀行がお札、日本なら日本銀行券を刷ってごまかしているのが、経済の実態ではないでしょうか?

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