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2018-05-03

いまさらだが新聞TVの「世論調査」について考える

ツイッターで政府批判をしている人(議員とかでなく一般人、たいてい団塊世代の人多い)の書いていることを読んでいると、「無いと言っていた文書が出てきた」とか「首相案件とか書いてあったじゃないか〜」とか「前は記憶にないと言っていたのにウソ言ってたじゃないか〜」とか、まあ朝日的な表面情報で簡単に「疑惑」につなげてしまうものが多い。これでは新聞やTVの「言葉の使い方」だけで簡単に印象操作されてしまう。

「世論調査」の方法的問題点

新聞TVでよくやっている世論調査について、元「ニュースステーション」の気象予報士こと河合薫さんが、こんな考察をしている。河合薫さんがどんな人かGoogleで画像検索すれば、「ニュースステーション」を見ていた人ならたいてい知ってる。

内閣支持率は信用できない。プロすら断言する電話世論調査の実態

この記事からポイントだけ整理する。

世論調査には、その結果を左右する次の3つの要因があるという。

  1. サンプルの抽出方法
  2. 調査方法
  3. 質問文と選択肢

サンプルの抽出方法

「サンプルの抽出方法」、世論調査で言えば「対象者の選び方」は極めて重要。世論調査の場合は「選挙権のある人」が対象者。

抽出方法としては古くから「層化二段無作為抽出(=ランダム・サンプリング)」というのを信頼できる方法として新聞各社が用いてきた。これは選挙人名簿や住民基本台帳を属性別に無作為に2段階で抽出するものなので、統計学的にも妥当性が検証されている手法ではある。しかし手間がかかり、個人情報保護法の影響で目的によっては台帳閲覧が制限されるケースが出てきた。

そこで出てきたのがRDD方式(Random Digital Dialing)。今行われている世論調査のほとんどはこの方法。最初に地域別に分類し、数種類ある乱数発生手法でコンピューターによって電話番号の下4ケタだけを抽出する。この方法は統計学者の間でも妥当性や信頼性の確証が不十分と言われている。

調査方法

このRDD方式で選ばれた世帯をどう調査するかだが、かつてはプロの面接官が直接訪問し調査していた。その後、質問票と返信用封筒を送り期日までに返信する「郵送法」に変わった。これはこれで有権者が自発的に回答返書するので意味があったが、やはり手間がかかった。

そこで1990年代から「電話方式」になった。これが今の方法で、固定電話にかけるので昼間家に居てるひとなんて専業主婦や高齢者が多いから、対象者に偏りが出る。携帯しか持たない若い世代が最初から対象外という問題がよく指摘される。特に自動音声方式(ボタン回答)だと、相手に選挙権があるかもわからない。「年齢」をプッシュホンで押すように指示されるので、これでは年齢別の世論傾向の違いなども、どこまで信用してよいものか。

もはや世論調査の多くは「意味なき数字」に成り下がっていると言う。

質問文と選択肢

私などこれがいつも引っかかる。河合さんの元の記事では、アメリカのギャラップ社とNORC(シカゴ大学)で行われた「幸福感」に関する調査で、同じことを聞いていたにもかかわらず、形容詞の違うちょっとした言い回しで15ポイントの差が出た例を上げている。

単純で直感的な質問でもこれだけの違いが出る。ましてやこの1年数ヶ月続くいわゆる「モリカケ問題」なるものの場合、ことの経過が複雑なので質問文の設定で「疑惑」へと印象操作しやすい。本質が見えにくいから「納得できましたか?」と聞かれれば「十分納得できていない」が大半を占めるにきまっている。これは実際わかりにくいから当然だ。

この「世論調査」のやり方が、憲法論議などで使われたらどうなるのか?複雑で微妙な問題ほど多角的な情報を国民に届ける必要がある。そうなると方法的に偏りを生みやすく、結果が単純化されやすい「世論調査」は、複雑な問題ほどなじまなくなる。

続く

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